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AJCE2002年次セミナー報告

技術研修委員会教育推進分科会長 林 幸伸氏

海外建設プロジェクトにおけるコンサルタントの役割

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1.概要

今回のAJCEセミナーは、変革の途上にある日本の公共事業の執行プロセスのなかで、今後コンサルタントがどの様な貢献ができるのか、またなすべきなのかを再考してみることがテーマであった。海外では日本とはかなり異なる仕組みやプロセスの中で建設事業が進められているが、邦人コンサルタントが実際にどのような業務を海外で行っているのかを紹介し、国内と海外の違いを浮彫りにすることで、検討のための一助とすることが私の担当したセッションの位置付けであった。

公共事業の執行過程は大きく4段階、即ち計画、設計、建設、運営に分けることができる。プレゼンテーションでは、この内の最初の3段階を概説したが、なかでもFIDICの標準約款が利用される建設段階を重点的に解説し、AJCEらしさが色濃くでるように配慮した。

海外建設プロジェクトといっても幅は広いが、今回のプレゼンテーションでは邦人コンサルタントにとって最も馴染みの深い途上国における開発援助プロジェクトに焦点を当てた。欧米先進諸国の公共事業実施プロセスにおけるコンサルタントの関わりについても大いに興味のあるところであり、セミナーの前に欧米の実態について文献を漁ったところ、平成6〜7年にかけて他の協会(土木学会・建設コンサルタント委員会、国際建設技術協会、国土開発技術研究センター等)が関連性のある海外調査を実施していることが判った。WTOによる貿易障壁の撤廃というような議論が当時その背景にあったものと思われる。欧米における実態の把握については今後の課題と捉えたい。

尚、プレゼンでは各種業務におけるコンサルタントの責任のあり方の違いを説明するためにタスク型契約とアシスタント型契約という二つの概念を用いた。発注者に対してアドバイザリーサービスを提供し最終的な意思決定は発注者に委ねるのがアシスタント型契約であるのに対し、タスク型契約では成果品(設計等)に対する瑕疵責任を負うことになりその責任は重い。概ね、海外のサービスではタスク型が中心であるのに対し、国内のサービスではアドバイザリー型が多いと考えられる。次に、プレゼンテーションの概要について紹介する。

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