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2005年 日豪交換研修報告

株式会社 日水コン 東京下水道事業部技術第二部設計第二課長
技術研修委員会YPF・YPEP分科会長 秋永薫児

総括報告

YPEP2005 日豪交換研修について

2005年の豪州への交換研修には表に示します5名が参加しました。研修地はオートラリア第2の都市、メルボルン(人口340万人)でした。今回は、派遣する会社の業務上の都合で研修期間を3週間と4週間のグループに分けて行いました。ホームステイ先も1週間や2週間で移動するケースもここ数年増えてきており、受け入れ側の負担を軽くすることで、週末の過ごし方に変化があり、またいろいろな家族との出会いも刺激になるようです。
5名の研修生は各自の専門分野の部署に配属され、それぞれの視点から業務のプロセスや新人研修システムなどの違いを見てきたようです。
ほとんどの研修生が、私生活と仕事に対する姿勢の違いについて指摘していました。残業を前提とした業務消化体制や給与体系などが根底にあるのでしょうが、私生活を犠牲にしてまで仕事をこなす日本的な感覚とは大きな隔たりを感じ、人生における時間の使い方、価値観の違いなど考えさせられることが多かったように思います。また同時にうらやましいと思ったことでしょう。
報告書のなかで述べられた特徴や提案などについていくつか取り上げますと、設計条件や方針が、マニュアルに準じた形式的なチェックでなく、議論をしながら決められおり、必ずしもマニュアルどおりにしていかないスタイルが確立しているようです。これは学ぶべき点の一つでしょう。研修生を中心として変化が起こっていくことを期待しています。また、JVでの業務では、データサーバーへのアクセスがスムーズで業務効率が向上されている点があげられており、このようなシステムの導入も提案しています。
教育プログラムとして、年輩技術者がMentor(指導者)となって若手指導が行われ、職務経験を綴った報告書に基づいた承認制度を持ち、これにより技術者としての一定の地位が与えられるそうです。この報告書作成にあたっては当該技術者と指導者とが月に1度の話し合いの場を設けるといったシステムが会社として出来上がっているようです。プログラムのメニューとしてTraining Courseの社外での受講などについても支援がされています。日本国内でも講習会や社内研修などがありますが、プログラムとして組み入れて行くことを踏まえて、両国の研修システムを比較しながら効果的な方法を検討していくのも一案かと思います。
クライアントとの関係についても(よく言われることですが)日本のそれとは異なる感じを持ったようです。近年日本でも変化してきているようですが、以前上下関係というのが抜けないようで、パートナーとして認知してもらうには我々の日々の努力も必要ですが、世代の交代という時間も必要かもしれません。
また、研修期間が数週間という短い期間では、業務としての関わりは少ないため、現場見学や補助作業の組み合わせではなく、相応のプログラムを用意しておく必要性も指摘しています。研修生の報告内容は具体的であり、明確な視点での研修を行ってきたと感じました。
研修生氏名と研修先は次のとおりです。

表  豪州研修生リスト
氏名 所属会社 研修先
川野 哲朗 (株)オリエンタルコンサルタンツ Persons Brinckerhoff Australia Pty Ltd
香月 寛之 (株)建設技術研究所 GHD Pty Ltd
中嶋 宣信 鞄水コン東北下水道部 Kellogg Brown & Root Pty Ltd
土岐 直大 応用地質 Golder Associates
小林 雄介

日本建設コンサルタント

SMEC Australia Pty Ltd
宗広 裕司

樺キ大

Maunsell Australia Pty Ltd

 

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