公益社団法人 日本コンサルティング・エンジニア協会 AJCEトップページへ english site
ホーム > FIDIC >FIDIC YPF  >2000年ハワイ大会報告

Japan YPF in FIDIC
FIDIC Anual Conference Report 2000-Hawaii(2000年)

Kouichiro Haru
Nihon Suido Consultants Co., Ltd.

45歳以下の若手エンジニアを対象としたラウンドテーブルである。共催MAであるわがAJCE受け持ちのテーブルであり、(株)東京設計事務所の宮本氏がファシリテータ(進行役)、(株)日水コンの藏重氏がレコーダ(記録役)、米ACECのOno氏がオブザーヴァ(調整役)を担当した。

ディスカッションはまず自己紹介から始まり、ついでFIDIC本部から提示された議題案を基に、参加者の関心事を探り、協議すべき話題を決めた。基本的に何かの結論を出すという姿勢ではなく、意見を交換する形で進められた。

最初の議題は「人材開発・育成」であり、人材育成にまつわる諸問題を列挙した後、改善策について討議を行った。人材開発に関しては、どのようにして若手エンジニアをCE業界に引き込むかということが話の中心となった。対策として、賃金等の待遇向上、若手をコーチするシステムづくり、社会活動への積極的参加(社会に見えるCE)、学生に対し現場見学実施、教育現場へのアプローチなどの提案がなされた。トレーニングについては、組織的なトレーニングプログラムの構築が必要、技術的トレーニングだけでなく、営業的トレーニングも必要といったもっともな意見のほか、学生にバイトさせ入社前にOJTすると安上がりであるという実際的な意見も出された。

次に、効果的なプロポーザルの書き方について意見交換を行った。中にはプロポーザル作成を専門としているエンジニアもいるようで、顧客の要請を十分に理解すること、企業の特長をわかりやすく示すこと、営業力・交渉力・プレゼン能力をトレーニングすること、適材を配したチームで作成すること(若手を混ぜて教育も兼ねる)、作成したプロポーザルはデータベースに蓄積すること、などのコツが披露された。

ついで、比較的若手の役割が期待されるコンピュータの活用方法について、社内の他部署とのやりとりのためにはLANが有効、まずは共通プラットフォームを持つべき、などの意見が交わされた。

最後に、FIDIC理事メグジ氏より、E-mailを活用したヤングエンジニアフォーラムを立ち上げたいとの提案があった。これについては、当面は個人的なメール交換にとどめ、将来的にFIDICのウェブサイトにフォーラムを作ってはどうかとの意見が出された。

このラウンドテーブルはこれまでにない趣向のテーブルであった。もともとFIDIC大会参加者に若手は少ない印象であるし、一堂に会して意見交換する機会はなかった。個別の情報交換も有用だろうが、こういった場はきわめて効率的と感じた。また、若手の関心事や懸念は意外にFIDIC全体の問題と共通していることに驚いた。このような会合を増やすことにより、FIDIC活動の輪が次世代に継承されていくのではないか。

また、特筆すべきはAJCEのオーガナイズ力である。とかく発散しがちな議論を軌道修正し、有用な意見を効率的に引き出すことができたのではないか。これは宮本氏の手腕によるところが大きい。参加者もそれぞれ、ある程度の充足感を持ってテーブルを離れたのではないかと思われる。参加者は総勢32名であり、きわめて盛況であった。確実にAJCEの存在をアピールすることができたと考える。

閉会にあたっては、米国からの参加者の発声により、ファシリテータ宮本氏に対して惜しみない拍手が贈られた。私は何度かラウンドテーブルに参加したことがあるが、こんなことは初めてである。空調の不調で、とてもハワイにいるとは思えないような冷え冷えとした会場であったが、なかなか心温まる後味が残った。宮本氏、藏重氏の労に対し、改めて賛辞を贈りたい。

Copyright(c) 2005 ASSOCIATION OF JAPANESE CONSULTING ENGINEERS(AJCE). All Rights Reserved.