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The FIDIC Annual Review for 2006-2007 抄訳

訳責:国際活動委員会 IFI分科会

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1.会長からのメッセージ (Message from the President)
2.FIDIC各委員会、作業部会及びフォーラム活動報告
(Committees, Task Forcesand Forums)
3.事務局報告/持続的な業績

 

1.会長からのメッセージ (Message from the President)

 コンサルティングエンジニア(CE)−よりソフトなイメージへ−

 FIDIC会長のJorge Diaz Padilla が、退任を前に以下のようなメッセージを寄せている。

 この1年間は実践・戦略両面の問題に果敢に取り組み、それが報われた年であった。昨年、私はコラボレーションとパートナーシップの大切さをとなえた。そして、これはシンガポール大会のテーマにもなっている。FIDICの戦略的な事業の多くは、多くの人々のサポートに頼っている。ここでの重要な仕事は委員会形式にこだわらず、しばしば表に出ないまま行われる。理事会は各責任者との間でインターフェイスとして機能する。 公正で透明性のある調達がCE業界の根幹である。グローバル化が進み、技術的なサービスが民営化されていく大きな動きの中でも、未だにCEは施主側に立つことが多い。それ故にCEは施主側から不正な要求を突きつけられた時には厳しい立場に立つことになる。FIDICは世界技術者連盟と協議を行い、汚職と戦い、持続可能な開発を促進してきた。よい契約約款は施主、建設請負業者及びコンサルタントにも重要である。それらのバランスと公正さを確実にすることは契約約款委員会の重要な任務である。また、FIDICは建設請負業界を代表する世界建設業連盟(CICA)と協議を行い、汚職に対する共同声明を発表し、汚職防止促進ツールの導入を計画している。
 多国間開発銀行(MDBs)はまだ世界のインフラ整備において支配的な役目はあまり果たしていないが、多くの国で調達決定時に影響力を持っている。隔年で開催されるFIDICとMDBsの会議、BIMILACIは5月にワシントンで2日間にわたり開かれ、品質に焦点が当てられた。銀行間の協調はかなり進んできたが、品質についての理解と定義についての取り扱いには難しい面があることが判明した。FIDICは施主が高品質のサービスを期待しているとの認識に立ち、原点に戻って施主が「どうしたいのか」ではなく、「何を達成したいのか」との質問に心がけた。また、FIDICはMDBsに対して「コンサルタント選定における価格の影響」、「調達における持続可能性の問題」、「汚職と戦う実践的な手段の不足」、「不適切な合意によるコンサルタントへの不公平なリスク負荷」そして、「支払いの遅れの負の影響」についての理解を強く求めた。
 多くの会議は実務的ではない議論に終始することが多い。FIDICは汚職の問題と持続可能性の問題に対応するための実務的なツールPIMS(Procurement Integrity Management System)とPSM(Project Sustainability Management)を開発し、普及に努めている。
 FIDICと業界が取組むべき大きなチャレンジは、重要な問題は何かを理解することと、声をそろえて話すこと、そして同じ問いかけをすることである。FIDICは地域の業界に対し、より効果的な声を届かせるのに最もよい方法は何かについて検討している。これはアフリカやアジアのMAグループのためにヨーロッパCE協会連合(EFCA)との協力関係、FIDIC 中南米アメリカ連合(FEPAC)との交流を進めるに当たり、新しい注目点となった。
 同時に、CEはよりソフトなイメージを与える必要がある。1つには技術の専門家や問題の解決者というよりも、貧困の軽減や気候変動問題に取り組むことによってより良い生活の提供に貢献していることを強調することである。私の役割が終わりに近づいてきた今日、この動きと我々のサービスがこれまでになく求められていることを強く感じている。私は、皆さんに感謝するとともに、後任の皆さんがよりポジティブな将来に向けて業界を率いていくことを願っている。

2.FIDIC各委員会、作業部会及びフォーラム活動報告
(Committees, Task Forcesand Forums)

 様々な委員会活動について報告している。冒頭に「すべての委員会はボランティアにより構成されており、参加したい人の応募を歓迎する」旨の表明がある。以下に報告の概要をまとめた。

■ FIDIC理事会
 FIDICのメンバーを代表して連盟の統括と戦略計画立案に責任を持っている。2007年1月にニューデリーで会合を持つとともに、能力開発と持続的開発に関するFIDIC-CEA-インド合同セミナーに参加した。5月にはロンドンで会合し、ACE-UKのイベントに参加した。


■紛争裁定人評価委員会
 主な目的は、契約約款の適切な運用を支援する有能で経験豊かな紛争裁定人を揃えておき、要請に応じてその指名を手助けすることである。評価ワークショップを2006年末に行い、8ヶ国から12人の会長リスト入り候補者を推薦した。


■ビジネス実務委員会
 CE業界全体に適用できるパートナリングにおける専門職リスクに関するポリシーガイドラインや参考資料を作成してきた(www.fidic.org/policies)。「PFIプロジェクトにおける実践ガイド」(電子版は公開済み)の検討も継続している。「コンサルタント選定における価格要素重視の問題」の本質は、要求される業務内容とコンサルタントが提供する業務内容の取り決めに明確さが欠けていることにある。新しい「業務範囲定義ガイド」は、業務範囲を全て記述できるツールと各作業段階を定義する標準を提供している。内容は2007年のシンガポール大会で発表し、2008年に出版する予定である。

       
■契約約款委員会
 多くの作業部会を擁して既存文書の見直しと新規文書の準備を活発に行った。2006年末に「コンサルタント標準契約約款」(White Book)の第4版を発行した。「DBO契約約款」のセミナー限定版はシンガポール大会でのワークショップに合わせて発行される。新しい「調達手順ガイドライン」、「JV契約書」・「サブコンサルタント契約書」・「土木工事下請契約約款」の新版の準備も順調に進んでいる。多国間開発銀行協調版建設契約約款は高く評価されており、ライセンス下でMDBに普及している。フランス語、スペイン語、ポルトガル語翻訳版の準備も進められている。二国間組織での使用にも拡大の動きがある。

       
■持続可能な開発委員会
 プロジェクト持続性管理(PSM)の推進に関し、委員会は全体的な問題解決策と、持続可能性の観点から創造し、設計し、視覚化するための新しいツール、具体的にはプロジェクトの選択肢、利益、そして新しい手法の問題点を分析するためのツールを開発中である。今後はCE会社向けの新しいPSMガイドラインと、PSMの適用事例集作成に着手する予定である。

       
■若手専門職フォーラム(YPF)
 主にインターネットを通じて活動してきたが、ニューズレターも幾つか刊行し、FIDICメンバーに配送してきた。MAの増加に伴い、それぞれが若手専門職用プログラムを持つようになり、YPFのネットワークを使って他の協会と情報を交換し、互いに学んでいる。YPF活動継続のために、メンバー各位の助力とアイディアの提供を要請する。

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3.事務局報告/持続的な業績

 前半は出納長のMaxime Mazloumと常務理事のEnrico Vinkがそれぞれ出納長報告と常務理事報告を行っている。後半は、FIDIC事務局が事務局活動、eFIDIC研修システム、研修会、および書籍販売について報告している。
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