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2003年 FIDICフランスパリ大会

Workshop-6
Managing a multidisciplinary teams of consultants, engineers and designers

YPF・YPEP分科会長 佐々部圭二
  • モデレーター: E. Callico氏(フランス)
  • プレゼンテーター: Y. Colin氏(フランス)、P. Michel氏(ドイツ)、P. Larapidie氏(フランス)、M. Mallot氏(フランス)、E. Callico氏(フランス)、J. Boyd氏(カナダ)
  • レコーダー: M. Senechal氏(フランス)

「責任ある投資へのパートナー」をテーマに掲げたFIDIC2003年次大会における大会2日目のワークショップは、午前、午後で別々のテーマが設けられた。午前のテーマは、「責任ある投資を実行するにあたり」であり、午後のテーマは「業務実施への新たな展望」であった。ここでは、午後のWorkshop-6:多分野で構成するチームの運営について報告する。

E. Callico氏(フランス)の議事運営のもと、6例のプレゼンテーションが行われ、これをベースにした議論が持たれた。コンサルティング業務は、少なくとも世界的には、様々な分野の専門家が参加する国際的なチーム編成での業務実施はあたりまえのことと認識していたので、「多分野で構成するチームの運営」がなぜ今ごろ注目されるのだろうという疑問を最初から持ったが、どの国においても、それはマジョリティではないようである。また、このワークショップばかりでなく今回の大会全体を通じて、エンジニアリングだけに偏っていてはだめではないかとの議論が多く聞かれたが、いまごろ何を言っているのだろうというのが率直な感想である。世界がそのような状況であるなら、日本はリーダーシップを発揮できる。

各プレゼンテーションは、それぞれの事業における、「インターナショナルなチーム編成」、「チーム・メンバー所属国でばらばらに行う業務の統合(Virtual Team)」、「多分野の専門家によるチーム編成」、「住民の要請、クライアントの要請等々に応えるためのコミュニケーション計画」等々、につき、プロジェクトでの実施例を紹介していた。それぞれのプロジェクトの紹介は特に目新しい発想は見られず、どの国、どのプロジェクトでも、似たようなことを考えているという印象。プレゼンテーション概要は下記のとおりである。

  • 1.Y. Colin氏。アイルランドにおける道路建設事業の例。多国籍メンバー・チーム、多分野メンバー・チームにおける、プロジェクト・マネージメントにおける、業務管理、工程管理、資源・経費管理、下請け業務管理、リスク管理(内部、対外)のポイント。
  • 2.P. Michel氏。インドにおけるグジャラート州石油公社プロジェクト・マネージメント業務。多分野、多国籍環境下における、50kmガスパイプラインの事業モニタリング、品質保証システム開発、能力開発。
  • 3.P. Larapidie氏。イタリアにおける多分野、多文化環境を抱える国際チームによる業務における"Standard Operating Procedure (SOP)"の導入。
  • 4.M. Mallot氏。フランスにおける多分野メンバー・チームによるエンジニアリングの新たな可能性。
  • 5.E. Callico氏。建築分野における多分野構成チームの管理。最適設計のためのエンジニアおよびアーキテクトの役割。
  • 6.M. Boyd氏。管理業務の改革("Managing Service Evolution")。Boyd氏は、エンジニアの役割の歴史的な変化を次のように説明し、今何をなすべきかをまとめた。
  • ・エンジニアリング(30年前):財務面、技術面で妥当な解決策を提案する業務分野。与えられた金額の中で最適な技術的回答を出す。
  • ・エンジニアリング(20年前):環境面で受容可能で、かつ、財務面・技術面で妥当な解決策を提案する業務分野。事業の環境面での着地点を決め、財務上の条件をクリアーして、これにフィットする技術的解決策を提案。
  • ・エンジニアリング(10年前):環境面で受容可能で、かつ財務面・技術面で妥当な回答を、法的な承認手続きの枠組みの中で提案する業務分野。
  • ・エンジニアリング(現在):社会および環境の受容性を確立し、財務面の検討を持続性の観点から実施し、法的な承認手続きという枠組みの中で事業内容を提案する業務分野。

もし、エンジニアがプロジェクト・プロセスを制御しなければ(とかく軽視しがちなエンジニアリング以外の部分も含め)、あなたは、エンジニアリングを理解していない人のサブ・コンサルタントにしかなれないだろう。逆にいうと、エンジニアリング以外の分野の要求を理解できないプライム・コンサルタントは容認されないということである。

従い、以下をなすべき(You must…)。プロジェクトのエンジニアリング以外の面からの要求を理解すること。エンジニアリング以外の工程、必要となる費用を把握すること。業務実施レベルの、エンジニアリング以外の分野にかかる言葉を勉強すること。全工程を管理すること。

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