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FIDIC Forum:Economies of scale in a global organization日本工営株式会社 エネルギー開発部 羽根悟朗 発表者:オランダ国Fugro社CEOであるGert-Jan Kramer氏(浚渫・港湾施設建設・沿岸パイプライン敷設のコントラクターから1983年にFugro社に転身)が、オランダ国の小さな地質調査会社(1962年創立)から現在は約50カ国に於いて従業員数:約8,000人を持つグローバル企業に発展した同社の経緯を事例として、グローバル化した企業規模の経済性について述べた。 1.Fugro社グローバル化への経緯Fugro社が開発したFugro電気コーン式貫入試験法は、ダッチ・コーン式貫入試験法と技術的には一致しないにも拘らず、コーン貫入試験(CPT)の将来を担うものであった。測定上の人的ミスを防ぐように機器の改良を重ね、信頼性の高い測定結果を提供した。同社はオランダ国外に於ける事業展開も開始した。さらにデータ収集とその処理とは別に、独自の調査に基づくエンジニャリング・コンサルタントサービスを開始し、信頼に値する会社という評判を得た。 こうした会社の拡大と成長に伴って1980年代には組織再編が必要となり、持ち株管理会社と運営会社に分割された。この組織は1980年代初めまでは首尾良く機能したが、1986年初めの第2次石油危機では不都合となり、会社の生き残り作戦を開始した。その一つは、海外の主要な競争相手であった地質会社McClellandと協力することであった。McClellandの企業買収をきっかけとして、Fugro社は世界的規模の企業買収と企業再編成を進めた。その過程で、対象となる買収企業の事前チェックに必要な約20項目を網羅する「企業買収規定集」を作成した。このようにして地理的にも又ビジネス分野上でも多角化に成功した。こうした事業規模の大規模化に伴い、新しい技術と機器への更なる投資が可能となった。 2.グローバル化した企業規模のマネージメント:Fugro社の黄金律(行動規範)グループ各社の運営統合のため、黄金律(行動規範)を作り上げた。この行動規範はFugro社固有の組織特性、運営特性および市場特性を考慮したもので、それは同社の企業文化を支える屋台骨となり、年次マネージャー会議に於いて毎年補強されている。一方、Fugro社はいくつもの運営会社からなる高度に分散化した会社でもある。運営各社はマネージャーの裁量と責任に大きく委ねられている。持ち株管理会社の合意した権限内で運営会社は経済的に独立し、独自に業務とプロジェクトを運営できる。その運営方針は出来る限りローカル・スタッフとローカル・マネージャーを雇うことである。その結果、全世界に駐在する同社の国外駐在員は約2ダースである。全てのマネージャーは予め定められたスケジュールに従って、また持ち株管理会社の要請に応じて、持ち株管理会社に運営報告を行う。運営面での特徴は、運営会社による共同作業が必要な場合、持ち株管理会社を通じたグループ各社の意思疎通よりも、関係各社が直接話し合って協同作業を行う点にある。 マネージャーへの一般的な指導例を挙げると、常識や標準的かつ良好なビジネス慣習、さらには各国の法的義務に従うことが要求される。Fugro社は市場公開されているから、時宜を得た正確な財務データの提供が非常に重要であり、その失敗は会社にとって致命的である。従って、運営各社からの財務報告および財務管理者の行動には重大な関心が払われる。同社の企業統治は、取締役会の妥当なマネージメントのみならず、誠実で透明性のある意思決定が可能な企業経営に重点を置いている。同社の企業統治方針は2003年初めに公布されたオランダ国の企業統治法典に従う。同社の企業統治方針に関連する規則は2004年5月19日開催の年次株主総会に於いて株主から承認され、かつウェブサイトに公開された。Fugro社の黄金律(行動規範)の対象範囲は、例えば
に関係する。同社黄金律(行動規範)の一例として、「入札見積もり方針に関する特別規則」が挙げられる。グループ会社からの利益獲得について一般的に言えば、それは各社間に摩擦を起こし、各社間の信頼関係を損ない、結果的に収益性の高いビジネスを破壊してしまうので、顧客からは利益を得ても良いがグループ会社から利益を得てはならないとされている。 結論として、
の3点を列挙している。 3.所感100社を数える企業買収を行い現在では約50カ国に於いて従業員数:約8,000人を抱えるグローバル企業に成長したFugro社の出発点が、ダッチ・コーン式貫入試験法に替わるFugro電気コーン式貫入試験法の開発にあったことを知り驚きました。同時にそれは時代が必要とする開発、選択が企業の成長の条件を示すと改めて感じました。 |
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