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開会式報告

日本建設コンサルタント株式会社 代表取締役社長
会長 都丸徳治

2004年FIDIC大会のオープニングセレモニーは、コペンハーゲン市の中心に近いところに位置するDet Ny Teaterで開催された。1908年にオープンしたデンマークで2番目に大きな豪華な劇場で、1000席を超える客席があり、演劇の殿堂として市民に親しまれている。現在は国際的なミュージカル劇場として毎年20,000人を越える観客を迎えているそうである。

デンマーク・コンサルティング・エンジニア協会(FRI)主催による2004年のFIDIC大会は、例年とは少し趣の異なる催しとなった。

全体の司会は、前会長であるPedersenさんが例の気さくな話しぶりで始まった。

幕開けは、王立デンマーク音楽学院のブラスバンドによる気楽なワンダフルコペンハーゲンなどの曲で、リラックスな雰囲気で開始された。

その後Pedersenさんによる開会と歓迎の挨拶、65MAのうち59MAの参加を得、とくに中国からは80人の参加があったことが紹介された。また今回はFRIの100周年にも当たりその記念ともなる大会であるということであった。

今回の大会は変化する社会環境、ボーダレス化する経済圏に向けて、新しい方向、新しいビジネスについて議論する会議になることを期待するという挨拶があった。また、今回初めてとなった若いエンジニアの長期研修の成果が楽しみであると話された。

次にKell 会長が、今大会のテーマである “Consultancy-Profession or Business” に関し、これからのコンサルティング・エンジニアの仕事は、ハードからソフトへ、計画、設計などの従来型の仕事から、マネジメント、メンテナンス、自然環境の保存などから、はては健康管理など限りなく広がっていくだろう。そしてグローバル化の時代、世界規模の大規模な企業から、地域に強い小規模な企業までどのように対処していくかを考える大会である。また、今年はデンマーク・コンサルティング・エンジニア協会が100周年を迎えるという記念すべき年でもあり成功を祈念しているとの挨拶があった。

その後、王立バレー団の少年少女のバレー、オペラ歌手SusanneさんとMarthiaさんによるH.C.Andersenに因んだ歌曲とミュージカル“マイ フェア レディ”から数曲披露された。

今回のキーノートアドレスはデンマーク・コンサルティング・エンジニア協会の100周年ということもあって、C.T. ボーゼン会長による協会の輝かしい100年の功績紹介であった。1904年設立時、エンジニア協会は個人会員9名で発足した世界最古の協会で、現在は350企業、9000人の協会となっている。

コンサルティング・エンジニアの最初の仕事は、現在でも立派に役割を果たしているEider Canalで1777年から1784年にかけて軍から2名のcivil engineers が従事したことに始まったということで、その後1925年から1935年にかけてのユトランド半島とフェン島結ぶThe Little Belt Bridge、1962年のPrefab Housing Copenhagen、1998年完成のフェン島とシェラン島を結ぶThe Great Belt Bridge and Tunnel、そして最近2000年に完成したコペンハーゲンとスエーデンのマルモを結ぶThe Oresund Bridge and Tunnel プロジェクトまでの輝かしいコンサルティング・エンジニアの活躍が紹介された。

今回は例年と少し異なり、文化の香りの高い堅苦しくないオープニングであった。しかし、デンマークをはじめとするヨーロッパのコンサルティング・エンジニアの長い歴史と輝かしい実績を感じさせるものであった。最近のEU統合で社会経済環境が大きく変化しているとは言え、コンサルティング・エンジニアの存在価値は依然として高い地位を維持していると感じた。

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