理事会報告
株式会社建設技術研究所 代表取締役会長
FIDIC前理事 石井弓夫
第161回FIDIC理事会(9月1日(木)〜2日(金)北京ホテル)の概要を報告する。
出席:R.Kell会長(オーストラリア)今期で退任
J.Paddilla次期会長(メキシコ)
J.Boyd副会長(カナダ)
M.Mazloume財務理事(フランス)
B.Adeola理事(ナイジェリア)
A.Jaeger理事(ドイツ)今期で退任
Y.Ishii理事(日本)今期で退任
F.Pedersen理事(デンマーク)
E.Vink専務理事(ニュージーランド)
陪席:P.Boswell部長、藤江SG会議代表(日本)、
S.Fosatti事務局員(新任)
今理事会では会員増(74ヵ国となった)があり、財政状態も回復とあって、きびしい議論は無かった。ただFIDICの拡大により理事の数が足りなくなっている、定数を増やそうとの議論が出た。これは定款にかかわる問題なので、事前にMAに諮らないで総会に提出すべき問題ではないとして、来年以降に持ち越すこととした。
議事
1.前160回理事会の議事録
異議なく承認
2.Think Tank
「FIDICは会員会社に何をしてくれるのか」とのMAの声に対する回答のPPTをFosatti局員が上映。一方、会員はFIDICに何をすべきかとの観点も強調された。
3.財政
WB,ADBなど国際金融機関MDBが、FIDICの約款を標準として採用することになり、その契約金が入ったこと、コペンハーゲン大会が黒字であったことなどにより財政状況は大幅に改善される見込み。
4.活動報告 Business Issues
活動報告、2006計画が議論された。この中で国際開発金融機関MDBとの標準契約約款利用の協定が大きな成果として報告された。清華大・CNAECとのトレーニングコースが順調なこと、韓国、インド、ベトナムなどでもコース設定が進みつつあると報告された。
今後FIDICコース修了者にFIDIC資格を与えること、あるいはMaster of
FIDIC資格の可能性を検討。
5.会員活動 Regular Membership Topics
1)会員委員会
石井委員長より、TORに従って会員委員会が活動し、新規会員を獲得したこと、地域RGが活発に行なわれたことを報告。しかし、南米での活動は弱い。RGの活動を活発にするためにRGに資金援助をし、また理事は手分けしてMAと非MAを訪問すべしと提案したが、資金援助は否決、訪問の強化は合意。訪問計画、必要資金の検討を行なう。
RGにサブグループを作ることを議論。
各理事によりMA訪問状況を報告。この1年の訪問国は40に過ぎない。
2)地域活動
ASPAC、 GAMA(アフリカ)、EFCA(ヨーロッパ)、FEPAC(南米・スペイン)の状況を担当理事が報告。インド、スリランカ中心の国連組織TCDPAP総会参加には自然体で行く。
3)石井会員委員長は今大会で満期退任するが、後任は1月のジュネーブ理事会で決める。その間、藤江委員が代行を務める。
6.MDBほか関係国際機関との協議 Liaison With Banks/Agencies
1)標準契約約款では大きな成果があったのは前述。
2)選定問題ではQCBSへの傾斜が強くなっている。
3)Integrityの問題はますます重要視されている。
MDBのほかWFEOプエルトリコ大会でもこれが中心課題。
4)Capacity Buildingも同様に重要課題
FIDICセミナーを充実して、技術力と存在感を高めるとともに、MAの財政を改善する。
5)WWC/WWF4-2006 メキシコの準備状況を報告(Paddila、石井)。今大会のWS8の成果を生かすこととする。
7.常置委員会 Standing Committees
大会委員会(藤江委員)、業務委員会BPC(この中にAJCEも関心の高い選定問題、DB問題が入る)、契約委員会、調停者パネル、能力開発委員会の各委員長より報告。
インドより同国ではコンサルタントにもボンドを課しているが、これの撤廃に協力してほしいとの要請があった。これは他の国にも波及する恐れがあるので、BPCで検討する。
8.タスクフォース
Integrity Management, Quality Management, Risk Management, Sustainable Development, Young Professionals, Finance などのTF委員会から報告。これらのタスクフォースにはAJCE会員が参画。
9.PR
図書出版、HP、FIDIC NEWSの状況を報告。
10.大会
2006年はブダペスト、2007年はシンガポール、2008年カナダ、ケベックと決定済み。2009年のイギリス(ロンドンか)大会を承認。大会がその国におけるCEの地位向上につながることを確認。2010年については韓国、インドが立候補(非公式)との情報。
11.次回理事会
第162回 2006年1月 ジュネーブ
第163回 未定
12.その他
1)今回の理事選挙の投票方法に混乱があるので、あらためて「投票用紙1枚に3名以内を連記」と明確にし、至急MAに連絡。投票用紙は各MAに投票権の数だけ配布。(9月2日)
2)理事候補者との朝食会
3議席に5人の理事候補(イギリス、インド、中国、イタリア、ドイツ)。候補者と朝食会で懇談。(9月4日)
3)退任理事
理事会後、退任するKell、石井、Jeagerの3理事に次期会長より謝辞。3理事から留任理事に記念品を贈呈。
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