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FIDIC NEWS (January 2005)

<和文抄録>

訳責:国際活動委員会 IFI分科会
A.活動一般(Activities)
BIMILACI'05で討議する議題を提案してください

隔年で開催されている国際金融機関(IFI)とコンサルティングエンジニアリング業界との協議を目的とした会議が2005年4月7日から8日までの日程で、ワシントンDCで開催されます。そこでFIDICは、協議事項の設定と業界参加者の招請を担当します。この会議は、主要な国際開発銀行や同様の機関と直接意見交換するユニークな機会を提供するので、コンサルティング・エンジニアリング業界にとって極めて重要です。会議の主な議題となるのは、調達と品質、インフラ、公正性、および文書の整合性等であり、大きな成果が期待されています。

入札文書の整合化に関しては、訓練プログラムや能力開発全般等においてFIDIC契約約款を最大限に利用するための具体的な方法や戦略が討議されます。調達の問題では、契約段階以前で、いくつかの重大な問題が生じています。特に選定手続きがそうで、多くの機関や銀行の調達方針ではまだ価格が大きな役割を占めているのが現状です。これに対してFIDIC、および地域連合であるEFCAやFEPACによるプレゼンテーションでは、非常に広い意味での品質に重点を置いた調達方針が、説明されることになります。コンサルタント選定の際の様々な選択肢と、それらがプロジェクトの品質および持続可能性に与える影響に関し、最新の考えと経験を共有することが会議の目的です。また汚職も大きな問題です。FIDICは、ビジネス・インテグリティー・マネジメントや、新しく出たModel Representative Agreement等の出版物を通じて精力的に取り組んでいます。これら主要な問題への取り組み方について合意することは会議の積極的成果となるでしょう。

会員の皆様には、FIDIC事務局に連絡し、議論に値すると考える問題を提起するようお願いいたします。例えば、加盟協会より支払い延滞問題が提起され、IFIから検討に値すると認められたことがあります。基本的インフラを開発するにあたり、IFIとコンサルティング業界は、行なわれた投資に対して最適な成果を求めます。そのため、最良の慣行を共有し、また成果の質の向上を求める意欲があります。

B.契約関係(Contracts)
多国的国際開発銀行間で整合性の取れた建設契約書類のドラフトがレビューを受けています

世界銀行を筆頭とする多国的開発銀行各行は、事業者側が設計を行い、銀行が融資する建設プロジェクトに対して、各開発銀行間で整合性の取れた入札書類を作成しております。FIDICの契約約款が世界的に認められ、使われているので、開発銀行側はFIDICと協力し、1999年発行の第1版契約条件書を組み込むべく作業をしております。FIDIC約款の成功は、オーナー、コンサルタンツ、コントラクターの間の公平なリスク分担によるところが大きいのですが、その辺の問題について議論が数ヶ月にわたって行われ、いくつかの点で合意を得ることが出来ました。FIDICもこれを機会に1999年版における6年間の経験を踏まえ、契約条件書の改訂を考えております。FIDIC契約条件書第2版の最終ドラフトは、最近、レビュー担当者にコメントを求めて送られました。

C.ビジネスプラクティス(Business Practice)
ヤングプロフェッショナルフォーラムが2005年の北京会議でセンターステージへ

FIDICのヤングプロフェッショナルネットフォーラムが、ウェブサイトの立ち上げに伴い、注目を集めております。若いプロフェッショナル達の為に、日本のAJCEは電子掲示板やその他の通信ツールを含むウェブサイト運営のサポートを提供しています。若いプロフェッショナル達は、これに奮って参加、チャッレンジし、コンサルティングエンジニアリングの世界にインパクトを与えるような問題に対するFIDICの考え方をまとめるべく、選ばれた話題におけるそれぞれの経験を共有していただきたい。

FIDICの2004年ヤングプロフェッショナルマネージメントトレーニングプログラムに参加した方々は既に、4つのケーススタディについてのFIDICの見解形成に大きな貢献をしました。2005年プログラム参加者の貢献により、このフォーラムが大きな成果を挙げるものと期待されております。新しい話題は、持続可能なエンジニアリングであり、やや抽象的な“持続可能な開発”の概念をビジネスプラクティスの場に適用して行く方法と戦略を開発することを目指しています。フォーラム参加者からのインプットは、実用的なアプローチを世界的な目で捉えようとする北京2005年FIDIC年次大会のプログラムに織り込まれる予定です。従って、フォーラムに参加することは、まさに、持続可能なエンジニアリングに対する最新のそして最も現実的なアプローチを学ぶひとつの方法であります。

D.ビジネスデベロップメント(Business Development)
FIDICは個別の状況に合った能力開発訓練コースを提供します

FIDIC実践ガイド(FIDIC Guide to Practice)訓練マニュアルに基づく訓練コースへの関心表明を求めたFIDICの2004年10月の呼びかけに対し、各国加盟協会から引き続き好意的な反応が寄せられております。FIDICが商業的提供業者の国際ネットワークと協同しなければ訓練が成り立たない数少ない領域、特に契約と紛争解決の領域では、各国協会はコース提供者となります。(コース提供者としては、現在外に、ECV、Cornerstone、IBCおよび国際商業会議所があります)。しかし、その他のほとんどの領域では、FIDICが単独で各国協会のために特に作ったコースを開催します。それらは一般に、二人のトレーナーで1日から2日間にわたって開催されます。さらに詳しい情報はFIDIC事務局に問い合わせるか、またはFIDIC.org/trainingをご覧ください。

E.倫理と規範(Ethics and integrity)
ヨーロッパの20大コンサルティングエンジニアリング会社のひとつであるDHV社で公正管理システムを導入。

オランダのDHV社社長 Renko Campenは、DHV Times の2004年11月号の“公正管理はモトが取れる”と題した記事のなかで、“公正さは我々の会社文化に根づいており、我々がビジネスの中でまた大きくは社会の中で相互的に活動する際の行動の仕方を規定する。”と述べております。DHV社は、スウェーデンのSTD Sector Review において、社員数の多さでヨーロッパのコンサルティングエンジニアリング会社の19番目にランクされています。DHV社は同社の道徳的清潔さを保護するために、ビジネス公正管理システムを導入実践しました。FIDIC BIMS (FIDIC Business Integrity Management System、最近FIDICにより商標登録された)に関するさらに詳しい情報は、www.fidic.org/bimsで得ることが出来ます。コンサルティングエンジニアリング業への貴重な洞察を提供している毎年発行の“Sector Review”はダウンロードできます。また印刷版は、FIDIC Bookshopにて入手可能。

■FIDIC幹部の発言が注目を集めました

2004年11月に開催され、60カ国250人が参加したOECDの政府調達とその管理に関するグローバルフォーラムにおいて、FIDIC幹部の発言が注目を集めました。既に知られているように、汚職が経済成長と開発に及ぼす悪影響は、FIDICの運営方針やガイドラインにおいても繰り返して述べられております。数少ない実務者の組織を代表してFIDICは、調達プロセスの透明性と品質の両方を改善する実用的なツールを示すことが出来ました。

FIDIC会長のR. Kellは、本会議開会挨拶で、FIDICのビジネス公正管理システム、コンサルタント選定に関するガイドライン、十分に説明された調達方針、及び 新しい代理人契約モデルに言及しました。より大きな関心が改善された調達とその管理に関する話題に集まっているので、透明性に関するいろいろな新しい動きの関連性を十分に理解することが重要です。FIDICは従って、国際フォーラムに対して実務に役立つようなやり方で引き続き貢献して行きます。今のところ、多くの国際組織がそれぞれの経験を共有する事や、最善の調達方法を開発する事を求めています。FIDIC会員においては、調達手続きの改善をめざす地方のあるいは地域的な率先した動きを支援する為、FIDICの刊行物について熟知していただきたい。違ったビジネス土壌で育った人々とやり取りを行うので、特に信頼されるアドバイザーになる為には、教育が非常に重要な問題になります。

 

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