■FIDICは、コントラクターの代表と新しいイニシアティブについて討議中(FIDIC discusses new initiatives with contractors' representatives)
FIDICは、2006年1月下旬ドバイにおいて開催された世界銀行と国際的な建設業者を代表している国際建設業者協会連合会(CICA;the Confederation of International Contractors’ Association www.cica.net) の調達に関わる年次会議に参加した。CICAは、社会基盤事業のための国際的に受け入れられた標準的な契約約款の利用を確実にしているFIDICの努力に対して繰り返し感謝の意を述べ、一方で可能な修正についても討議を続けている。汚職も重要な議題であった。契約業界(Contract Industry)は、効果的な反汚職ツールの開発におけるFIDICの業績を認めている。良好な調達業務のための鍵である「質」もまた主な関心事項であった。契約業界ではQBSのプラス面の理解がさらに進んでいる。共同して世界銀行へ働きかけることを計画しており、民間部門からのアプローチを強化することの有用性を認識してもらうことを目論んでいる。これは、世界銀行の汚職に対する戦いや調達手順の改善への後押しに、この業界がどう呼応していくかに懸かってくるであろう。
解説)FIDICは発注者、Contractorとの連携、共同歩調がコンサルティング・エンジニヤ(CE)の独立性、地位向上の基盤であると位置付ており、FIDICが提唱する課題、刊行物発刊に際し、緊密な連絡を取り、意見交換を実施している。CICA,国際融資機関とは頻繁に連絡、会議を開催し、必要に応じて共同でセミナー等も開催をしている。
■グローバルな品質の確保にはパートナーシップが鍵(Partnerships are the key to global quality)
2006年のFIDIC年次大会のワークショップで揚げられたキーポイントについての包括的なまとめの中に、大会の主催組織(FIDICとEFCA)、会員協会と企業への推奨事項が述べられている。このまとめは全体の発表資料と要約リストとして、オンラインで利用できる。2006年の大会ではCE業界が信頼されるアドバイザーと成果品の供給者として、質のよいサービスを提供する能力があるかどうかに焦点をあてた。FIDIC2007シンガポール大会(9月9-13日www.fidic2007.org)では「グローバルサービス、パートナーシップの強化」というテーマの下で、質のよい成果をグローバルに提供するために、良好なパートナーシップを作り出していく本質を探求することによって、2006年の成果を進展させていくであろう。
解説)FIDICの基本政策のひとつに「質による選択」(QBS)があり、これの普及には時間を掛け、理解を得る必要を認識し、会員に協力を訴えている。
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■ FIDIC契約約款ユーザーズ会議で最近の傾向に関する活気ある討議(Users conference provided a vital opportunity to discuss recent trends)
およそ100人の参加者が、第1回FIDIC契約約款年次ユーザーズ会議(ロンドンにて11月11-12日開催)に参加した。会議はグローバルイベント企画会社であるInformaと共同体制を敷き、FIDICとその研修パートナーであるCornerstone、ECV、及びSF-Consultにより進められた。この会議は、FIDIC契約約款のユーザーのうち、「世界中での最新の進展内容を知りたい人たち」に対して行われたものである。FIDIC会長Jorge Diaz Padillaは、会議を開会宣言し、主な結論をまとめ、FIDIC契約約款作成メンバーの出席者のうち、誰が誰かについて紹介した。FIDIC契約約款の管理、草稿作成、販売促進及び研修に関与した人の大半が、21カ国からの参加者とともにこの会議に出席することができた。初日の議長でFIDIC理事(Executive Member)Geoff Frenchとともに、CE業界、契約者組織とMDB(国際開発銀行;the multilateral development banks)からの講演者たちは、FIDICのMDBハーモナイズド版建設契約約款を使ってよい結果を得たことを確認した。この建設契約約款は、MDBの出資する国際競争入札プロジェクト向けである。そのほかにも、FIDICのDBO契約約款素案についての最新情報が公表されるとともに、既存のFIDIC業務契約約款(建設、プラントとDB、EPC/ターンキー)に関して生じている問題点や、紛争委員会での最近の進展状況について発表された。このように、この会議は幾つもの相互に関連するホットなトピックのワークショップを特徴とし、Hans Ammendrup (Denmark)、 Ellis Baker (France)、 Gwyn Owen、(UK)とNick Henchie (UK)によって主導された。FIDICの契約約款コース、ワークショップ、セミナー及び年次大会のプログラムは、2007年12月に予定されている次回のユーザーズ会議を確固たる物にするように機能し続けるだろう。
解説)従来FIDICは契約約款の作成者としての解説セミナーを開催してきたが、今回初めて、契約約款を使用している専門家を対象に、意見を聴取し、今後これらの意見を勘案した内容の改訂を審議することになった。このセミナーは毎年開催する予定である。
■ 予定されている訪問や会合(Forthcoming visits and meetings)
FIDIC Executive Meeting, New Dehli, 29-30 Jan 07
FIDIC-CEAI Capacity and PSM Seminars, New Dehli, 31 Jan and 1 Feb 07
Cornerstone Dispute Resolution Workshop, Copenhagen, 8-9 Feb 07
FIDIC-IFC ADR Roundtable, Sarajevo, 14 Feb 07
FIDIC-UAESoE-ECV Contracts Course, Abu Dhabi, 26-27 Feb 07
FIDIC-VBI-VUBIC Contracts Seminars, Berlin, starting Mar 07
FIDIC-OICM Seminar, Bamako, 11 Mar 07
FIDIC-ECV Dispute Resolution Course, Brussels, 12-13 Mar 07
FIDIC ASPAC-TCDPAP Regional Conference, Lahore, 20-22 Mar 07
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■湾岸エンジニアリングフォーラムで業界の組織について講演(Gulf Engineering Forum addressed industry organization)
FIDIC会員協会である the Saudi Council of Engineersにより開催された第10回湾岸エンジニアリングフォーラムは、エンジニアリング活動を組織的にするために、これまでと違ったアプローチに全体的な力を注ぐこととなった。このフォーラムは「エンジニアリング専門領域を発展させ保護するための専門家の職権と役割」をテーマとして、2006年11月10-13日にコバール(Khobar)にて開催された。会議は副総理大臣である皇太子 Sultan Bin Adbul Azizの名代としてサウジアラビア東部地域知事であるMohammed Bin Fahd Bin Adbul Aziz王子により開会された。FIDIC事務局長(General Manager)のPeter Boswellが基調講演で国際的な見通しについて言及し、国際的な標準に見合った個々のエンジニアの質についての社会的な規定とクライアントの求めるものを提供する能力を蓄積するというCE業界の役割との間の違いを明確にする必要があることを強調していた。湾岸共同評議会諸国(Gulf Cooperation Council States)の関係者が集まり、プロフェッショナルの実体について議論した。幾つもの国の中で、特にサウジアラビア、ヨルダン、バーレーン及びオマーンがプロフェッショナルと業界の利害関係をいかに統制し、代表してきたかについて説明した。
■中央ヨーロッパイニシャティブフォーラムにおいてサービス取引に注目(Central European Initiative forum focussed on services trade)
欧州復興開発銀行(EBRD;the European Bank for Reconstruction and Development)がスポンサーとなって開催された第9回中央ヨーロッパイニシャティブサミット経済フォーラムにおいて、政府関係者と1,000人程の参加者が2006年11月22-23日にアルバニア国Tirana市に集まった。そして、欧州の新しい経済圏での取引を促進するためのイニシアティブについて検討した。社会基盤が重要であるとすれば、サービスの交易は特に注目すべき事項である(報告書参照www.ceinet.org/SEF)。FIDIC会長Jorge Diaz Padillaは調達における品質について強くアピールした。そして「資格のあるコンサルタントを初期の段階で評価する場合には、価格要素を排除する必要性があること」を強調した。議題の中にもちろん載っている「汚職」に絡んで、FIDICがBIMS(Business Integrity Management)により得られる恩恵について説明することができ、FIDICのコンサルタント選定ガイドラインとBIMS出版物が大変注目を浴びた。FIDICは、アルバニア会員協会であるアルバニアCE協会の公共部門調達責任機関への働きかけの努力に対して、支援する機会も得ることができた。
■UAEの会員について討議され、研修が強化された(UAE membership discussed and training consolidated)
膨大な社会基盤開発とそれに伴って流入する多くのコンサルタントエンジニアは、7つの湾岸諸国間での調達において、おそらくかなりの協調をすることになる。また、この動きは国際的な契約約款とビジネス実務規約の役割について政府の認識を増大させた。FIDIC会長Jorge Diaz PadillaがFIDIC 常務理事(Managing Director)のEnrico Vinkとともに2006年11月に訪れた機会に、FIDIC出版物の利用が増え、関心度が上がり、FIDICとより緊密に連携したいという強い要望を確認した。主に国外ではあるが、12,000人の個人エンジニアをメンバーとしているUAEのエンジニア協会the United Arab Emirates Society of Engineers (UAESoE)との会議では、CE業界におけるビジネスの利害関係を代表する適切なモデルに注目が集まった。そこではまた、研修についての更なる討議が行われた。FIDICの契約約款(マニュアルのモジュール 1)の実務的な使用方法に関する第1回の2日間コース(FIDIC-ECV-UAESoE contracts course)がアブダビで2007年2月26-27日に開催される。そして、これに相当するFIDIC契約約款を理解するための2日間の FIDICコーナーストーンワークショップが2007年5月16-17日に行われる。
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