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FIDIC NEWS (March 2007)

<和文抄録>

訳責:国際活動委員会 IFI分科会

A.活動 (Activities)


FIDIC2007シンガポール大会迫る
(Singapore 2007 open for business)

FIDIC2007年次大会はアジアにおける現代の繁栄神話の国シンガポールで開催され、参加者に多くの啓発を促すことになろう。当地でのホスト役となるシンガポール協会はFIDICとともにすべてのFIDIC会員協会からの参加者を歓迎するとともに、CE産業に関連するビジネス面や専門的な興味を持つ多くの人たちをも歓迎してくれるだろう。繁栄復興するアジアの中心にあるシンガポールは、参加者に感動を与え、心躍らせてくれる事を約束している。シンガポールのサクセスストーリー、貧困から富裕な状態への驚くべき成長にはCEが貢献し、丈夫で効率的なインフラの整備が経済成長をもたらしたという認識に立っている。この設定は大会に申し分のない背景を与える。そして、戦略的な協働を通したビジネスの成長に焦点を当てることになる。CE産業は真にグローバルな市場における交易機会を作り出すリーダーである。多くのワークショップにおいて、その可能性を最大にするため、そして世界中で拡大している機会を認識するために、協働という大事な見地に焦点を当てることになるであろう。古い格言である「地球規模で考え、地域で行動しよう」が、これ以上真に迫ることはこれまでにはなかった。

ご案内)大会プログラムは4月上旬に発表され、申込も開始しています。AJCEは例年通り好評の「AJCEツアー」を募集いたします。

■FIDIC理事会は戦略的課題を審議
(Executive Committee sought to address strategic issues)
第165回FIDIC理事会が2007年1月、ニューデリーで開催され下記の審議を行った。
 @FIDIC理事会はPPP (public-private partnerships)におけるCEの役割に関して新しい指針(position paper)を承認した。様々な国のPPPの状況に関する膨大なレポートが電子媒体によって逐次更新されている。
 A007年3月に特定の校閲者に送られた新しいDBO契約約款の原稿校閲、刊行の日程、および初公開セミナープログラムを承認した。
 B能力開発委員会の委員長にBayo Adeola(ECのメンバー)理事を任命した。彼は直ちに委員の入替えと事業計画に着手した。
 C他の委員会はそれぞれ広範で膨大な活動内容について報告した。
 D2006年度収支決算「案」が報告された。記録的な刊行物の販売、セミナー等行事からの多くの収入、国際融資機関からのMDB版契約約款ライセンス料としての新規のかなりの収入、FIDIC2006ブタペスト大会の黒字により、かなりの黒字決算となる見込みである。この傾向に鑑み、刊行物販売と本年1月開始したeFIDIC トレーニングプラットホームのウェブサイトを支援するために、パートタイマーを雇い入れてFIDIC事務局員を増強することを承認した。さらに、資金運用につき、次回理事会(ロンドン、2007年5月21-22日)で検討することになった。
 E年次大会に関して
 ・FIDIC2009ロンドン大会でのEFCAとの協力について検討するために、その枠組み案が作成された。
 ・FIDIC2010ニューデリー大会の準備に関してインド協会と確認を行った。
 ・FIDIC2011大会は戦略的にアフリカで開催するように合意された。メンバー協会にさらなる提案を求める事になる。
 Fコンサルタント選定における「QBS」の重要性を普及させることについて再認識するために、FIDIC刊行物の再販促進とFIDIC年次大会の成果の最大限の活用方法について審議した。

■銀行のCE選定ガイドラインは価格への比重増を検討
(Bank guidelines envisage more emphasis on cost)

ADB(アジア開発銀行)は下記発刊した。
 1)調達の指針改訂版 (revised Procurement Guidelines)、 2007年2月、
 2)ADBとその非債権者のコンサルタント活用ガイドライン改訂版(revised Guidelines on the Use of Consultants by ADB and Its Borrowers)、2007年3月、
2)では、QCBS(品質と価格に基づく選定)によるCE選定方法におけるプロポーザルの順位付けの評価基準に対して柔軟な重み付けを採用した旨の報告がなされている。本件は、ADB理事会の要請に対する回答として、2006年12月にADB COSO(Central Operations Services Office)が推薦した事案である。 現在、ADBが実施しているQCBSは「技術品質評価80%、価格評価20%」であるが、これを「価格評価率は・・・を選択し得る」と言う表現に置き換えている。ADBの説明はADBと他の国際融資機関との調整を計るためである。特に世界銀行が実務上の価格評価率上限を30%としていることなどを理由に挙げており、世界銀行との整合を図る方針を示している。ADBは「品質価格比率70-30を適用したいくつかのケース、特にADBによって融資されたローンの場合、かなりのコスト節減を達成でき、品質劣化はあっても軽微である」という2005年の調査結果の主張を参照している。FIDICはこの改訂が品質重視の方針を損なうものとして、CE選定における如何なる価格評価率の適用にも強い抵抗を継続する。本件は、二年に一度開催するBIMILACIミーティング(MDBとFIDICとの会議)、ワシントンD.C.のインターアメリカ開発銀行にて2007年5月10-11日開催予定、において採り上げる。FIDIC会員協会から会議で取り上げるべきコメント、提案事項の連絡をFIDICへお願いする(議事次第草案 www.fidic.org/bimilaci)。

ADB訪問で能力開発の足固め(Asian Development Bank visit consolidates interest in capacity development)
2007年3月上旬にFIDICはADB(アジア開発銀行)を訪問し、幹部といくつかの重要案件についで討議をした。FIDIC会長Dr Jorge Diaz Padillaに率いられたFIDIC代表団はADB副頭取Liqun Jinからたいへん前向きな歓待を受けた。FIDIC会長はFIDIC2005北京大会の成功は2007年シンガポール大会の成功を約束するものであると、ADBの支援に感謝の意を表した。ADBからADBの新しい能力開発プログラムの現状について報告を受けた。2007年初旬に実施された6カ国におけるADB職員へのFIDIC契約約款教育コースの発展について今後も協力を希望するとのADBからの表明があった。

B.行事(Events)


■ FIDIC GAMAアフリカの会議でGAMA行動計画を開始 
(FIDIC GAMA Africa conference kicks off GAMA action plan)

FIDICー2007シンガポール大会に先駆けて以下の地域活動が実施、予定されている。
 1) FIDIC AsiaーPacific ASPACーTCDPAP 地域会議(アジア太平洋地域)、ラホール(パキスタン)、2007年3月下旬。TCDPAPと共催でセミナーを開催した。

 2) FIDIC Africa GAMA会議(アフリカ地域)、ガボローネ(ボツワナ)、 2007年5月14ー16日。この会議ではGAMA作業部会の「エンジニアリングサービスは良い買い物」をテーマとした行動計画を開始する。
 
■予定されている訪問や会議(Forthcoming visits and meetings)
FIDIC-VBI-VUBIC 契約約款セミナー、ベルリン、2007年3月初旬
FIDIC-ESCONE-CRCICA契約約款セミナー、カイロ、2007年4月1-2日
FIDIC-ICC 紛争解決コンファレンス、ドバイ、2007年4月22-23日
FIDIC-ECV 紛争解決コース、ザグレブ、2007年4月26-27日
FIDIC-JEA-AEBC 契約約款コース、アンマン、2007年5月6-10日
FIDIC-ECV紛争裁定コース、ブカレスト、2007年5月9-10日
BIMILACI'07ミーティング、ワシントンD.C.、2007年5月10-11日
FIDIC GAMAアフリカ地域会議、ガボローネ、2007年5月14-16日
FIDIC-Cornerstone契約約款ワークショップ、アブダビ、2007年5月16-17日
FIDIC-ECV論争の解決コース、バルバドス、2007年5月21-22日

FIDIC-ECV契約約款コース、ブリュッセル、2007年6月4-5日

C.契約約款(Contracts)


■FIDICは湾岸諸国の契約約款に係る研修を支援
(FIDIC consolidates Gulf contracts training)

FIDICからの時を得た支援が湾岸地域での研修活動の強化をもたらしている。湾岸地域では、ビル建設とインフラ開発が盛んなことから、官民を問わずFIDICの契約約款と手続指導書への関心が高まっている。これを契機に、FIDIC契約マニュアルのモジュール1(実務での適用方法)とモジュール2(クレームと紛争解決)に関する英語による定期的な研修コース計画が、UAEエンジニア協会(UAESoE)とFIDICが協働で準備した初めての研修コースとして、2007年2月、UAEにおいて開始された。引き続き、この地域では次のセミナーが計画されている。


■ヨルダンと研修について同意(Training agreement for Jordan signed)
FIDICの執行委員会はFIDICブタペスト大会に関連して開催された今年の年次総会で、「オーストラリア、アフリカ、ヨーロッパおよびカリブ海沿岸に本拠を構える新たな12名のFIDIC会長認定紛争裁定人リスト入り候補が承認された」と誇らかに報告している。FIDICの契約約款が世界中でますます利用されている状況、DAB(紛争裁定委員会)の価値が広く受け入れられるようになったことを受けて、強化されたFIDIC紛争裁定人の人材プールは、クライアントやコントラクターに対して、より広範な選択肢と、DABの指名を受けることが出来る人材を提供するであろう。この追加承認に引き続き、FIDIC裁定人評価委員会によって2日間にわたって開催されたFIDIC裁定人評価ワークショップの参加手続きとその研修を完了した。
これら30人の裁定人すべての連絡先と経歴が入手できる。次回の裁定人評価ワークショップへの参加申請に関心がある新たなFIDIC紛争裁定人への応募者は、FIDIC事務局にその旨を表明されたい。

D.協会活動(Representation)

湾岸エンジニアリングフォーラムで業界の組織について講演(Gulf Engineering Forum addressed industry organization)

FIDIC会員協会である the Saudi Council of Engineersにより開催された第10回湾岸エンジニアリングフォーラムは、エンジニアリング活動を組織的にするために、これまでと違ったアプローチに全体的な力を注ぐこととなった。このフォーラムは「エンジニアリング専門領域を発展させ保護するための専門家の職権と役割」をテーマとして、2006年11月10-13日にコバール(Khobar)にて開催された。会議は副総理大臣である皇太子 Sultan Bin Adbul Azizの名代としてサウジアラビア東部地域知事であるMohammed Bin Fahd Bin Adbul Aziz王子により開会された。FIDIC事務局長(General Manager)のPeter Boswellが基調講演で国際的な見通しについて言及し、国際的な標準に見合った個々のエンジニアの質についての社会的な規定とクライアントの求めるものを提供する能力を蓄積するというCE業界の役割との間の違いを明確にする必要があることを強調していた。湾岸共同評議会諸国(Gulf Cooperation Council States)の関係者が集まり、プロフェッショナルの実体について議論した。幾つもの国の中で、特にサウジアラビア、ヨルダン、バーレーン及びオマーンがプロフェッショナルと業界の利害関係をいかに統制し、代表してきたかについて説明した。

■中央ヨーロッパイニシャティブフォーラムにおいてサービス取引に注目(Central European Initiative forum focussed on services trade)
欧州復興開発銀行(EBRD;the European Bank for Reconstruction and Development)がスポンサーとなって開催された第9回中央ヨーロッパイニシャティブサミット経済フォーラムにおいて、政府関係者と1,000人程の参加者が2006年11月22-23日にアルバニア国Tirana市に集まった。そして、欧州の新しい経済圏での取引を促進するためのイニシアティブについて検討した。社会基盤が重要であるとすれば、サービスの交易は特に注目すべき事項である。FIDIC会長Jorge Diaz Padillaは調達における品質について強くアピールした。そして「資格のあるコンサルタントを初期の段階で評価する場合には、価格要素を排除する必要性があること」を強調した。議題の中にもちろん載っている「汚職」に絡んで、FIDICがBIMS(Business Integrity Management)により得られる恩恵について説明することができ、FIDICのコンサルタント選定ガイドラインとBIMS出版物が大変注目を浴びた。FIDICは、アルバニア会員協会であるアルバニアCE協会の公共部門調達責任機関への働きかけの努力に対して、支援する機会も得ることができた。

■UAEの会員について討議され、研修が強化された(UAE membership discussed and training consolidated)
膨大な社会基盤開発とそれに伴って流入する多くのコンサルタントエンジニアは、7つの湾岸諸国間での調達において、おそらくかなりの協調をすることになる。また、この動きは国際的な契約約款とビジネス実務規約の役割について政府の認識を増大させた。FIDIC会長Jorge Diaz PadillaがFIDIC 常務理事(Managing Director)のEnrico Vinkとともに2006年11月に訪れた機会に、FIDIC出版物の利用が増え、関心度が上がり、FIDICとより緊密に連携したいという強い要望を確認した。主に国外ではあるが、12,000人の個人エンジニアをメンバーとしているUAEのエンジニア協会the United Arab Emirates Society of Engineers との会議では、CE業界におけるビジネスの利害関係を代表する適切なモデルに注目が集まった。そこではまた、研修についての更なる討議が行われた。FIDICの契約約款(マニュアルのモジュール 1)の実務的な使用方法に関する第1回の2日間コース(FIDIC-ECV-UAESoE contracts course)がアブダビで2007年2月26-27日に開催される。そして、これに相当するFIDIC契約約款を理解するための2日間の FIDICコーナーストーンワークショップが2007年5月16-17日に行われる。

E.ビジネス実務(Business practice)

業務範囲定義作業部会が9つのプロジェクトフェーズを想定(Scope definitions task group envisages nine project phases)
調達における透明性をより高め、開かれた競争への技術的な障害を減らす、もしくは無くすこと、および価格重視の選定手順を排除するために、FIDICの業務範囲定義作業部会は様々なプロジェクトのフェーズにおいてCEにより提供されるサービス範囲の標準的定義を検討している。これらの定義によって、提供されるサービスの質の種類をクライアントが理解しやすくなる。EUの無償案件では、作業部会はEFCAと共同して、コンサルタントのサービスの標準化を行った。プロジェクトを9つのフェーズに分けて提案された定義について、各会社は会員協会を通してまもなく見解を求められるであろう。


F.事業展開(Business development)

持続可能な建築イニシアティブが最初の成果を近日リリース(Sustainable buildings initiative soon to release first products)
持続可能なインフラストラクチュア整備促進政策の発展を協働して進め、また支援することは、重要なFIDICの目的である。2006年の中頃に開始されたUNEPの「持続可能な建築物および建設イニシアティブ (SBCI)」は、これに大きく貢献する可能性を持っている。FIDICは、FIDICの持続可能な開発委員会のメンバーであるIksan van der PutteがSBC理事会のメンバーになることで認知されている。さらに、彼は、SBCIシンクタンク「建築物のエネルギー効率向上への投資を増やす公的補助メカニズム」のエキスパートでもある。UNEP/SBCI 2006年年次会議の報告書(オンラインでPDFを利用可能)は、シンクタンクの主な成果であるSBCI報告書の一つ「建築物と気候変動」を含めて、今日までの成果を要約している。FIDICは、建築用の様々な認証システムを持続可能性とリンクする方法として、プロジェクト持続可能性管理(PSM)を位置づけている (モロッコのラバトで2007年4月2から4日にかけて開催予定のUNEP/SBCI 2007年次会議でPSMのプレゼンテーションを予定) 。SBCIは政策に対するそのインパクトを評価するであろう。FIDICは、「建築物の設計および建設のためのライフサイクルアプローチを支援する政策および経済的誘因」に関するシンクタンクにエキスパートを派遣するように最近要請された。

エジプトのESCONEがCEの評判向上を支援(ESCONE-Egypt to help raise the profile of consulting engineers)
エジプトのESCONEの支援により、FIDIC会長Jorge Diaz PadillaとFIDIC 常務理事(Managing Director)Enrico Vinkは、エジプトおよび近隣諸国のCEの評判を向上させる活動の一環として、サウジアラビア、ヨルダン、スーダンおよびエジプトの代表と2006年11月後半にカイロで議論をすることができた。新しく任命されたESCONE執行委員会は、2007年中頃までにコンサルタント選定に注目した会議をカイロで開催する計画を提案することにより、主導権をとった。その間に、ESCONEと他のアラビア語圏FIDICメンバー協会およびパートナーからの代表の間で標準アラビア語バージョンの準備の第一歩としてESCONEがFIDICドキュメントをアラビア語に翻訳する許可、特にFIDIC契約約款およびサービス契約書の翻訳許可についての検討が継続されている。ユーザーを混乱させて、訓練プログラムの確立を複雑にする、無許可バージョンの出版に向けた良くない傾向がみられる。  

解説)エジプト協会はFIDIC加盟の歴史は古く、中東諸国の中で永年FIDIC活動を支援してきている。しかし近年その活動が停滞する一方、FIDIC刊行物のアラビア語版(海賊版)がエジプトで出版され、中東諸国で使用され、契約上混乱をきたしている。FIDICとして認可を受けたアラビア語版の出版を促進すると共に、エジプト協会の再建を支援することになった。

G.倫理(Ethics)

■OECDが国家調達における公正性の最善の手法を調査(OECD reviews integrity best practice in national procurement)
OECDメンバー国は2004年に「透明性と説明責任の欠如は、調達における公平性と機会均等確保に対する主な脅威である」と確認した。FIDIC事務局長(General Manager)のPeter Boswellが参加した最近のOECDのシンポジウム「調達における公正性確保と汚職防止のためのよい習慣の計画、パリ; 2006年11月29-30日」で報告された国家調達システムに関する後の調査結果は、トップダウンの良い統制とボトム・アップの最善の手法の両方に関して著しく包括的な要約を行っている。その調査は、需要の評価からプロジェクト完成までの調達のすべての段階におけるいわゆる「灰色の部分」をいかに扱うかに焦点を当て、透明性の要求事項には重きを置いていない。得られた主な知見は、報告書草案の中に要約されている(オンラインFIDIC.org)。
ビジネス公正管理システム(BIMS)、プロジェクト持続可能性管理、契約のハーモナイゼーションおよびサービス範囲の定義の分野における FIDICのイニシアチィブに関するプレゼンテーションに続いて、参加者は、民間部門が多くの分野で主導権をとっていると結論づけた。特に、BIMSを適用した調達活動は低い諸経費と標準化された分類によってなされるので、多くの問題を解決する手助けとなる。FIDICメンバー協会は、調査報告書草案に対して2006年1月15日までにコメントするように要請されている。これは2007年3月の最終報告公表に間に合うように、OECDへフィードバックするためである。その間にOECDは、国家調達政策および手続きに関する進行中の議論において、民間部門をより包括的に参画させる方法を確立する手助けをFIDICに要請している。

■FIDICが国連初の汚職防止セッションに参加(FIDIC participates in first UN anticorruption session)
FIDICは国際的に汚職防止に先導的に取り組んでいる主要メンバーの一員として、汚職防止国連協定締結に向けた各国代表団会議の最初のセッションに参加するように要請された(UNCAC; ヨルダン、2006年12月10-14日; UNODCウェブサイト) 。これは汚職防止に関するはじめての法律的に拘束力のある国際協定である。国連麻薬・犯罪事務所(UNODC) 常務Antonio Maria Costaは、モニタリングと技術援助および資産の回収を主なトピックとして講演し、「NGOのメンバーと財界人に汚職と戦うことにコミットすることを託する。」と最終宣言で述べた。また、「それらの圧力は汚職防止への取り組みに熱意や誠意があるとは言い難かった政府に対する牽制に重要になる」と付け加えた。このメッセージは、協定の実行促進とモニターにより、機会均等な競争市場を求め続けるようにビジネス界を励ましている。業界代表(主として国際商工会議所、世界経済フォーラムおよびFIDIC)は、公および個人のイニシアティブに関する議論に参加し、汚職との戦いでより大きなリーダーシップを示し、かつ様々な協定の遵守するように政府に要求する宣言を準備した。その宣言はすべての政府代表団に配布され、会議の成果の一部になった。第2回と第3回のセッションは、2007年と2008年にそれぞれ開催される。

■マレーシアビジネス公正性セミナーが200人超の参加者を魅了(Malaysian business integrity seminar attracted over 200 participants)
FIDICビジネス公正性管理職セミナーが2006年11月11日から12にかけてクアラルンプールで開催された。工業省副大臣Dato Ir. Mohammed Zin B. Mohammedによる開会の挨拶で始められたこのセミナーはマレーシア全国公正性計画の出発点であった。彼は挨拶の中で計画およびマレーシア公正性研究所の代表が議論に参加することの重要性を強調した。セミナーは200人以上の参加者および政府補助による低い登録料を設定できたことによって、マレーシアのACEMが非常によく組織し、メディアおよび政府の関心を集めた。主なプレゼンテーションは、カナダのハッチ・エネルギーのJohn RitchieおよびFIDIC公正管理委員会のメンバーの一人が行った。プレゼンテーションは実施訓練用マニュアルモジュールのFIDIC解説書に基づき、広範囲な資源、特に事例研究および公正性確保手続きの解説文書で補われた。John Ritchieは「能力開発環境、FIDICのビジネス公正管理システム(BIMS)と他の汚職対策のリンクが重要であり、BIMS単独では汚職と格闘するには十分ではない」と強調した。FIDICは、2007年のFIDIC大会(シンガポール; 9月9-13日)に合わせてワークショップを開催することで、この地域におけるイニシアティブを維持することを目論んでいる。

■主要な汚職防止イニシアティブに照らして汚職防止原則を見直し (Antibribery principles reviewed in the light of major anticorruption initiatives)
トランスパレンシーインターナショナル(TI)の運営委員会は、TI、世界経済フォーラムおよび国際商工会議所の汚職防止のための業務原則に関係する活動を調整する。FIDIC常務理事(Managing Director)Enrico Vinkと以前FIDICの品質管理フォーラムの議長であったTonny Jensenは最後の会合(ワシントンD.C.; 2006年12月6-7日)に出席した。会議の内容として、次の4事項が特筆される。1)各々の原則への適合性を保証するためのTIの自己評価ツールの使用、2)世界銀行の自主的情報開示プログラムについての解説、3)2006年の倫理および適合性指導官協会の調査結果(165の多国籍企業を含む米国1361会社に対する理事会調査「汚職への抵抗」の結果は、汚職行為記録の増加を報告)、4)持続可能性報告枠組みの新しい万国報告イニシアティブG3バージョンのための汚職指標に関するプレゼンテーション。


H.イメージ(Image)

■ASPACは2007年をめざす(ASPAC looks ahead to 2007)
FIDIC 2006ブダペスト大会の総会決議に基づいて選出された廣谷彰彦を議長に、FIDICメンバー協会のアジア・パシフィック(ASPAC)グループの新しい運営委員会が設立され、現在までの活動を見直して、2007年の活動について検討した。ASPACニュースレターによれば、災害管理をテーマにしたASPAC-TCDPAPアジア地域会議をラホールで2007年3月20日から24日にかけて開催する準備を行なっている(プログラムを参照)。

■若手専門家フォーラムがニュースレターを発刊(Young Professionals Forum newsletter launched)
2006年の若手専門家経営トレーニング・プログラム(YPMTP)の成功、および若手専門家(YP)を特色としたFIDIC 2006ブダペスト大会の一連のイベントから、視線はすでに2007年に向けられている。2007年のYPMTPに対して、FIDIC はwww.efidic.orgでトレーニング・プラットフォームを提供し、デンマークSF-Consult Steenの Frederiksenもトレーニングの提供を継続することになっており、1月中旬に開始される予定である。YPMTPはEigil Pedersen、Ben Novak、Fatma Colasanおよび秋永薫児を含む国際的な助言指導者チームによって支援される。YPフォーラム運営委員会はYPMTPとFIDIC YPフォーラムおよびメンバー協会YP活動の連携をより明瞭にするために、その目的と行動計画を再検討した。その結果、優先事項は、FIDIC 2007シンガポール大会(9月9-13日)でワークショップを組織し、FIDIC.org/ypfのオンラインネットフォーラムの使用状況をモニターし、促進し、FIDIC YPFニュースレター(メンバー協会YPグループ向けFIDIC.org/ypfからPDFを利用可能)を配布することであると結論づけた。各メンバー協会のYPは、FIDIC YPFとそれぞれの活動についての情報を共有するように要請されている。

 

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