当協会では、わが国政府開発援助(ODA)に参加しているコンサルタントの立場から、援助政策の立案、実施機関の組織・制度、ODAビジネスに係る契約と調達の仕組み、また具体的プロジェクトの形成から実施・評価まで様々なトピックについて、各種研究会・部会等を組織して活発に活動しております。また個別の問題点・課題についても研究会を随時開催しております。なお、各分科会の詳細につきましては、会員限定の閲覧となっております。
ODA委員会
その他研究会等
関係省庁、機関等との意見交換会
過去の研究会活動
ODA委員会 | |
技術協力分科会 |
JICAの技術協力事業では、開発途上国の課題解決能力・オーナーシップの向上促進のため、開発コンサルタント派遣や機材供与、本邦研修などを通じて、経済・社会の発展に必要な人材育成、技術普及、制度構築のほか、円借款事業のためのマスタープランやフィージビリティスタディの実施などを行っている。
2023年度は技術協力に携わる人材を対象としたアンケートで労働環境の現状が明らかになった。これらの結果を踏まえ、技術協力事業業務の環境改善のため「技術協力のあり方の創造(技術協力の品質向上、JICAとの対話)」をテーマに、JICA関係部署との意見交換及び会員同士の情報共有・交流を通して、技術協力に関わる人材がプロジェクトに従事しながら成長でき、安心して働き続けられる環境づくりを目指す。 |
契約・精算分科会 |
契約・精算に関しては、昨年度JICAによる総合評価落札方式の試行的導入、そして新積算基準への改定という業界にとって大きな衝撃がありました。特に総合評価落札方式については対象業務の拡大に留意するとともに、業務実施契約(単独型)で発生している問題として、経費率の逓減方式による長期案件の契約金額の大幅な減少です。このためこれらについては引き続き注視し業界から意見発信をしていきます。また若手人材の活用では、プロポーザル評価における若手加点の反面、シニアへの対応の問題。業務従事者の配置におけるさらなる柔軟化、現在改定を検討中の一般業務費の定率化、技術協力プロジェクトにおける免税措置、さらにはこれまで一貫してJICAに要望している精算の簡素化、手続きの改善などの対応についても、引き続きコンサルタントとJICAとの間で意見交換を行っていきます。なお、現在は若手を活用するための加点や国内人材の活用がホットなイシューとなっています。
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有償協力分科会 |
わが国のODAの主要な柱である円借款事業は、インフラ事業への国際的なファイナンススキームの多様化の中、これまでの制度設計の見直しが求められています。ドルを含めた多数のカレンシーの活用、STEPを補完するスキーム、PPP事業への対応、さらに今後拡大が期待される有償資金協力勘定技術支援費の活用方法(D/Dの拡大に伴う瑕疵担保問題)等について検討し、その迅速性・柔軟性・機動性を一層強化すべきと考えます。その他、インド・ベトナム等での徴税問題について、本分科会にて検討を行い、JICAとの意見交換を行っていきます。
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無償協力分科会 |
無償事業は、工期の柔軟化や設計変更の簡素化で一部進展が見られたものの、基本設計や詳細設計M/Mの不足は依然大きな問題であり、事業数が増えるものの1件あたりの案件が小型化している問題、また最近試行的に実施される予備的経費について、その実施状況をフォローする必要があります。その他円借款・技術協力事業との連携について、引き続き外務省・JICAと意見交換を続けて行きます。
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安全対策分科会 |
安全管理やリスク情報の収集・共有、安全対策マニュアル・ガイドラインの整備を行ったり、教育・研修の拡充、緊急時の対応等安全対策に迅速に取組むべく会員企業の底上げを行うことを目的に活動します。またECFA会員の要望事項を外務省及びJICAへ発信し、意見交換を行います。
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その他研究会等 | |
コンプライアンス研究会 |
昨今のODAに関連する不祥事を踏まえ、ECFAでは行動規範の改訂や会員へのコンプライアンスの徹底を図っています。本研究会では、特に途上国側の方々へのコンプライアンスの必要性や遵守の啓蒙活動などを行い。途上国側でも不正が起こらないような仕組みを作るべきと考えております。このため外務省やJICAと意見交換等を行うと共に一緒になり問題解決を図って行きます。
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広報研究会 |
開発コンサルタントの社会的認知度向上を目的として、学生、民間企業、アカデミア、一般市民、政府機関関係者等に対し、開発コンサルタントの役割、業務内容等について広報する。ODAにおける開発コンサルタントの役割や成果等を省庁・JICA等がマスメディアに発表する際には、従事した開発コンサルティング企業名の公表を要請するとともに、会員自らも企業名を含めた対外発信を強化するよう呼びかける。併せて、メディア等との連携を強化するとともに、SNSなどの媒体を積極的に活用した広報活動を拡充する。また、多くの方に場所の制約なく参加してもらえるオンラインによる実施を引き続き積極的に行いつつ、対面での機会も増やしていく。
ECFA広報のページ |
契約・精算実務者勉強会 |
契約・精算分科会と連携し、より現場レベルでの具体的問題を掘り下げ、これまで各社が個別に折衝をしていたものを共有化し、JICA調達部(調達支援センター)との間で担当者同士の定期的な勉強会の場を持ち、各種ガイドラインの改善を図っています。また昨年会員間のネットワークを構築しましたが、登録された方々が同ネットワークを通じて情報の共有や意見交換の拡充を図れるよう推進しています。 |
国際標準契約研究会 |
海外におけるコンサルタントの標準契約約款は、FIDICのModel Contractが標準とされ、円借款でもこれを準用し利用しています。一方、現場では機材・業者の調達に伴うPQ、入札評価やクレーム処理等国際契約に関するコンサルタントの契約管理能力の向上が求められています。また、最近では顧客により大きな損害賠償責任を請求されることや、紛争裁定委員会(DAB)や裁定人(アジュディケーター)の導入も実施に移されつつあり、契約業務のより幅広い知見が必要とされています。そこでセミナーなどを通じ活動していきます。
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中小企業海外展開支援勉強会 |
JICAの中小企業海外展開スキームを受注したことがある企業間で事例紹介や問題点などについて勉強会を開催するとともに、JICA等の関係機関とも意見交換を行っていきます。
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その他の意見交換会等
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上記のODA分科会・研究会以外の情報等をご案内しております。
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関係省庁、機関等との意見交換会 | |
JICAとの意見交換会 |
JICAとは、引き続き分科会を開催し、契約・精算に伴う問題、技プロのあり方等を中心に意見交換を行い改善を図っていきます。2010年度は、新たに円借款制度の見直しのための有償協力分科会、採算性の厳しい無償事業の改善を図る無償分科会をJICA
との間で立ち上げます。無償分科会では、予備的経費の運用についてもフォローしていきます。また、平和構築・復興支援等の危険地帯で活動するコンサルタントの適切な安全管理体制の整備、JICA
によるセキュリティオフィサー等の安全管理専門家の確保等提案・働き掛けも行っていきます。
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経済産業省との 意見交換会 |
経済産業省は、東アジア・ASEAN 経済研究センター(ERIA)、ADB 等と連携し「アジア総合開発計画」を策定中にあり、域内のハード・ソフトのインフラ開発、産業振興、中間層(ボリュームゾーン)の育成を目指しており、「デリー・ムンバー産業大動脈構想」、「日メコン経済協力イニシアティブ」等の大型案件の推進を提案しています。実施体制として「アジアPPP
タスクフォース」、「中核拠点開発分科会」、「グローバル金融メカニズム分科会」を設け、産業界と連携し具体化を図っています。当協会も上記研究会には参加しており、本年度もコンサルタントの重要な役割について経済協力課・資金協力課との定期的な意見交換を通じ働き掛けていきます。
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国土交通省との 意見交換会 |
国土交通省は、アジアを含め、世界での鉄道・港湾・高速道路等海外でのインフラ事業につき、日本企業の資器材の切り売りから運営・管理を含む事業への投資を支援することを表明しており、官民連携インフラビジネス推進について、同省とも協力して推進していきます。
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外務省との |
外務省は、新しい政権の下 ODA について国民の共感が十分に得られていないとして、ODA の基本的見直しに着手しています。主な検討項目は、1)わが国ODA
の掲げる理念、2)国際協力についての国民への説明・伝え方、3)幅広い意見の集約と活用のための枠組み(民間企業、NGO、国際機関)、4)援助実施手段の選択、案件形成・選定・実施・評価、5)JICA
統合効果の一層の発揮です。このように、新たなODA 政策の行方はまだ不透明でありますが、ODA の量と質の向上に向け、引き続きコンサルタントの立場から同省と意見交換を実施します。
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財務省との 意見交換会 |
世界銀行をはじめアジア開発銀行、米州開発銀行等の国際融資機関には、日本が拠出している日本信託基金(日本タイドとアンタイド)がありますが、日本のコンサルタントの参加は十分とは言えません。本年度も、財務省開発機関課と意見交換を行い、日本のコンサルタントが得意な分野での案件の選定・参画を果たすよう、各東京事務所と連携し働き掛けていきます。
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経団連との |
経団連は、「国際協力委員会」を中心に、ODA の改善とインフラ整備について積極的に意見発信しています。2010年3月には「豊かなアジアを築く広域インフラ整備の推進を求める」意見書を取り纏めました。当協会は、同委員会の有力メンバーとして積極的に参加し、コンサルタントの立場から意見を発表していくとともに、経団連事務局とも緊密な協力関係を維持していきます。また、経団連は新政権との対話を重視しており、併せて外務省を窓口に経済産業省・財務省の三省と「官民連携」の促進にも取組んでいるため、当協会も引き続き協力していきます。
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コンサルタント団体連絡協議会 |
当協会は、国際建設技術協会(IDI)はじめ海外運輸協力協会(JTCA)、海外農業開発コンサルタンツ協会(ADCA)、日本コンサルティングエンジニア協会(AJCE)等他のコンサルタント団体と定期的に連絡会を開催し、コンサルタントを巡る厳しい経営環境について認識を共有し連携を図っている。特に、JICA
との関係では必要に応じ関係団体と協力し、勉強会の共催・意見具申活動を実施しています。本年度も、引き続きコンサルタントの業務環境の改善に向け積極的に連携を図るとともに、重要な事項では一致団結しJICA
等と交渉していきます。
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過去の研究会等の活動 | |
安全管理分科会 |
アルジェリア事件を契機に、民間企業にとって社員の安全管理の重要性が再確認された。これまで、アフガニスタンを中心に外務省・JICAとコンサルタントの安全管理体制について意見交換を行うとともに、民間のセキュリティ会社からもリスク対策、保険制度、緊急時の対応についてヒアリングを行った。本年度は、わが国政府が今後平和構築・復興支援プロジェクトを拡充する計画にあることから、その他の国においても安全管理情報の共有化と安全確保について要請し連携する。また、アフガニスタンでは2014年に米欧諸国の戦闘部隊の撤収が完了する予定であることから、外務省・JICAと危険情報の共有・避難処置、企業側の安全対策についてさらに意見交換を継続する。
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環境部会 |
JICAでは, これまでのJICA・旧JBIC の「環境社会配慮ガイドライン」を統合し、2010年4月より新環境社会配慮ガイドラインを公布し、7月より適用する予定です。当協会では、同ガイドラインの現場での実施状況を検証し、適正な調査スコープ、環境・社会配慮団員のM/M、ステークホルダー協議の実際、助言委員会の役割等新たな課題について"現場からの声"としてJICAへ意見発信を行います。
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ECFAトピック | |
発行日付
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主な掲載記事
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平成30年12月14日 |
【契約・精算分科会】バングラデシュ国における一般業務費10%加算措置の停止
【事務局】JICA予算逼迫を受けての諮問委員会報告書 【事務局】ODA有識者懇談会提言 |
平成30年11月30日 |
【ダイバーシティー意見交換会】テクリス登録のための評価をJICA試行的に実施
【事務局】ECFA-JICA勉強会開催(理事クラス) |
平成30年11月12日 |
【ダイバーシティー意見交換会】テクリス登録のための評価をJICA試行的に実施
【事務局】ECFA-JICA勉強会開催(理事クラス) |
平成30年10月25日 |
【契約・精算分科会】テクリス登録のための評価をJICA試行的に実施
【FIDIC分科会】FIDIC大会報告会開催 【教育・研修分科会】新・学習指導要領への対応 |
平成30年10月11日 |
【契約・精算分科会】中途半端な外国コンサルタントの活用緩和
【広報研究会】グローバルフェスタ参加! |
平成30年9月27日 |
【事務局】「ECFA会員企業収益実態調査報告書」の最終化
【無償分科会】「より魅力ある無償資金協力についての要望書」の最終化 |
平成30年9月13日 |
【契約・精算分科会】テクリス登録のための評価をJICA試行的に実施
【契約・精算分科会】財務省予算執行調査にかかる制度変更について 【教育研修分科会】『開発コンサルティング基礎研修』 |
平成30年8月29日 |
【財務省予算執行調査報告】ECFAとしての緊急対応を協議!
【無償分科会】より魅力ある無償資金協力事業の要望書作成 【YP(若手)分科会】シニアクラスとの意見交換 |
平成30年8月8日 |
【中小企業海外展開支援事業勉強会】業務効率化WGの設立
【広報研究会】『国づくりの仕事−リケジョ×国際協力』 |
平成30年7月23日 |
【広報研究会】JICAインターンシッププログラム
【契約・精算分科会】バングラデシュ案件での突然の加算措置打ち切り 【財務省予算執行調査報告】あまりにも一方的な調査結果 |
平成30年6月25日 |
【契約・精算分科会】予算逼迫に係る説明会
【安全対策分科会】業界全体での安全強化月間を立ち上げ! 【教育研修分科会】『FIDIC契約約款改訂版2017の解説』 |
平成30年5月11日 |
【契約・精算分科会】JICA予算逼迫によう制度変更か?
【広報研究会】JICAインターンシップ・プログラムへの協力 【教育研修分科会】新人コンサルタントのための開発コンサルティング基礎研修 |
平成30年4月12日 |
【契約・精算分科会】総合評価落札方式における新たな改善が?
【有償分科会】『円借款の事業リスクと対応について』 【広報研究会】『開発コンサルティング企業 業界説明セミナー』 |
平成30年3月16日 |
【安全対策分科会】途上国に潜むリスク回避のためのECFA版「安全のしおり」完成
【契約・精算分科会】JICA予算逼迫にかかる説明会 【契約・精算分科会】消費税の一部不課税化によりさらなるコンサル側の業務負担化? |
平成30年2月23日 |
【広報研究会】協力隊OBの開発コンサルタントが聖地駒ヶ根訓練所を訪問!
【事務局】新会員制度スタートへ! 【教育研修分科会】総括クラス向けのジェンダー研修 |
平成30年1月29日 |
【安全対策分科会】安全対策の目安が18パターンに集約!
【H30念ECFA賀詞交歓会】過去最大の来場者を記録! 【アジアPPP推進協議会(APPC)】URの海外展開支援業務の現状についてセミナー開催 【教育研修分科会】JICA円借款業務入門編 |
平成29年12月22日 |
【契約・精算分科会】消費税の一部非課税化の導入!
※関係資料 |
平成29年12月19日 |
【利益率改善タスクフォース】海外業務の利益率改善のために!
【広報研究会】島根大学での初出前講座開催! 【FIDIC分科会】インドネシア・ベトナム環境影響評価調査促進セミナー開催 【アジアPPP推進協議会(APPC)】高速鉄道についての意見交換会開催 【中小企業海外展開支援勉強会】制度普及のためのセミナー開催 |
平成29年11月30日 |
【契約・精算分科会】平成29年度JICA予算逼迫!
【無償分科会】包括的改善の進捗状況如何に! 【アフリカODA研究会】アフリカ開発銀行(AfDB)幹部との意見交換 【FIDIC分科会】FIDIC2017ジャカルタ大会報告会 【広報研究会】技術系コンサルタント業界説明セミナー(技術系) |
平成29年10月18日 |
【FIDIC会報分科会】会報新年号発行準備
【契約・精算実務者勉強会】契約精算制度の改善「とどけ契約・精算の現場の声!」 【教育研修委員会】BIM/CIMセミナー(11/28)準備 |
平成29年10月03日 |
【YP分科会】FIDIC/ASPAC YPFの報告、FIDIC若手大会報告
【中小企業海外展開支援勉強会】「外部有識者懇談会」の最終報告書について 【他関連団体との連携】国土交通省鉄道局との意見交換 |
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