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FIDIC Forum2

 

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  • 国際金融機関の役割
    ・国内レベルでの持続的経済発展の支援
    ・国内および国際機関の能力向上
    ・民間資金との協調、国際信用のリスク軽減、持続的資金供給の指導

    国際民間金融機関の役割
    ・大規模プロジェクトへの輸出信用、PPPモデルの活用
    ・持続的発展への方向修正や調節機能

    国内金融機関の課題
    ・国内の幅広い長期インフラ整備には国内金融機関がキーである。
    ・長期の内貨資金へのアクセスを創造する必要、過去の電力の例
    ・国内パートナーおよび規制リスクをよく評価できる立場にあること。
    ・大規模なエネルギー開発によるより長期の利益を確保できる資金力

    最後に、Burrett氏は持続的なインフラ開発は非常に複雑で、難しい挑戦であるが、プロジェクトへの参画者それぞれの役割と価値を適切に理解することが大事であり、同時に環境と社会リスクの管理が持続性にとって必須事であることを結論としました。
    感想として、プロジェクトマネジメントの観点からは特に目新しいところはありませんが、欧州の民間金融機関が世界のインフラ整備を視野においているところに軽い驚きを感じました。わが国は特別の事例を除けば、もっぱら公的資金が国際インフラ整備の手段でしたが、ビジネスとして民間が乗り出す時代が到来するかに興味を抱きました。

    2.ミレニアム生態系評価(Jhon Boyd)
    ミレニアム生態系評価(The Millennium Ecosystem Assessment:略称MEA)は、人間の福祉に影響を及ぼす生態系変化について、政策決定者への科学的根拠を与えるためにデザインされた国際的作業プログラムである。2001年6月にコフィ・アナン国連事務総長により開始されて2005年3月に終了した。MEAは科学的文献、データベースや科学的モデルからの情報を統合し、民間企業、実行者、地域社会、先住民が持つ知識を含み、すべてのMEA研究成果は厳密な査読を受けている。研究成果はwww.millenniumassessment.orgのサイトにて入手可能である。
    以下に結論の要約を示す。

    1. 過去50年以上に渡り、人類史に匹敵する期間で、生態系は急激、広範囲に人類に変えられた。例:世界の人口は30億から60億人へ倍増し、グローバル経済は6倍以上に増加した。
    2. 生態系変化は地球上の生活が多様化する中で、多大な取り返せない損失をもたらした。
    3. 生態系にもたらされた変化は人類の福祉や経済発展に関する大幅な純益に寄与した。
    4. しかし、これらの利益は増大するコストを得て、将来の世代が生態系から得るメリットを軽減する。
    5. 生態系サービスの規模縮小は今世紀前半の間で一段と増大し、Millennium Development Goalsを獲得する障害となる。
    6. 生態系を積極的に取り入れる試みは、いくつかの状況を生み出すとMEAは想定するが、それは、現在進エコシステムを取り入れていない政策、機関、企業の重要な変更を含んでいる
    7. ネガティブな取引を減らするよりも、他のサービスと積極的な相乗効果を期待するような生態系サービスを、保護し強化するためにいくつかのオプションがある。

    本来、生態系は生物学の構成要素のため、MEAがどのようにコンサルティング・エンジニアリング業界に適応し、我々の業界がこの問題についてできることに何があるだろうか。まず、人間あるいはこの小惑星の居住者として、我々はこのテーマに直接な個人的関与がる。つぎに、我々エンジニアはより専門的関与があり、人類の営みは全生態系に影響を及ぼし、これら影響の多くが、無償の資産のように環境コストには関心を向けずに建設された我々の取り組みの結果である。
    1970年代半ば頃、プロジェクトには環境汚染を検討に加えることが要求された。1980年代半ば頃には、環境配慮がすべての開発プロジェクトに組み込まれ、その専門家たちは生物学や毒物学を修得することが不可欠となった。今日、プロジェクトの成功は環境配慮に左右され、我々の組織には人類学者、社会学者、考古学者などを見ることができる。将来、作業の中に生態系要素に配慮する専門的義務が拡大するものと信じている。

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