セミナー・フォーラム参加報告
第3回世界水フォーラム(WWF3)参加報告
<AJCE各委員会報告> 国際活動委員会:ペダーセン会長との懇談会報告
国際活動委員会副委員長 蔵重俊夫氏
はじめに
去る3月18日(火)15時から、FIDICCペーダセン会長を迎え、技術研修委員会(PTC)と国際活動委員会(IAC)が合同で、AJCEに於ける両委員会の活動内容を説明した。IACからは委員会の目的、組織、体制等の全体に加え、当面活動中の6分科会の全てが英文の資料を作成し、分科会長がそれぞれ説明し、会長と議論を交わした。
IACの概要説明
IACの概要に関して、宮本副委員長からTORに示される4つの目的について説明がなされた。IACの4つの目的とは、(1)国際コンサルティングエンジニア連盟(FIDIC)活動との連携、(2)FIDICの各国加盟協会との情報交換、(3)本邦コンサルタントへの情報提供、(4)本邦コンサルタントに係る情報の海外への開示であるが、こうした活動を通して実感されるのは、世界的にみて我々をとりまく環境変化がめまぐるしい点であり、FIDICはもっとMA(Member Association)の置かれた状況を把握すべきであると提言した。引き続き、小職のほうでIACの6つの分科会を中心とした組織構成を説明したところ、ペーダセン会長からは、日本の他協会との合同もしくは連合により一層の活性化が図れるのではないかとの意見があり、AJCEの役割に対する期待が表明された。
ASPACについて
ASPAC(FIDIC Member Associations in Asia-Pacific Region)とはアジア太平洋地域組織のことで、アフリカにおけるGAMAと並んでFIDICの正式地域組織の一つである。現在、FIDICの石井理事が議長を務めておられ、ASPAC分科会はその支援方々、ASPAC事務局として活動し、本邦コンサルタントへASPAC域内の情報提供を行うことを旨としている。この活動の一環として、分科会長の磯部さんから、本年度のパリ大会時での開催を検討していたASPAC主催でのWorkshopを提案したところ、ペーダセン会長からは既にスケジュールがタイトに決まっており、残念ながら今回は断念せざるを得ないとの判断が示された。次の機会には是非とも実現したいものである。さらに、契約約款のアジア版の作成を検討中であることと併せ、能力開発(CB: Capacity Building)に関するセミナーを国連のESCAPによるアジア太平洋地域技術コンサルティング開発計画(TCDPAP)の年次総会に実施する企画を提示し、ペーダセン会長の期待感が表明された。なお、パリ大会でのASPAC総会についてもスケジュールが厳しく、昼食時等の開催も含めて実行委員会との調整にあたることが現実的との助言を頂いた。同件については、後日、AJCE事務局の尽力により9月9日(火)のランチタイムミーティングとして決定している。
BPCについて
BPC(Business Practices Committee)はFIDICの常設委員会の一つであり、IAC廣谷委員長が委員として参加している。当委員会には直面する課題毎にタスクフォース(TF)が設置されており、その一つに、低価格入札を背景としたコントラクターの品質確保の問題に対処するTFがある。IACのBPC分科会は永冶分科会長のもと、コントラクターの品質確保に向けたガイドライン(Improving the Quality of Construction : A Review of FIDIC documentation and a Guide for Actions)の作成をTF所属の国外委員と協働して実施している。既に昨年のアカプルコ大会には初稿を提示しており、その労に対しペーダセン会長から多大なる感謝の意が示された。また、本年のパリ大会には最終稿として発表する予定で作業を進めているところであるが、ペーダセン会長から発注者・コントラクターの視点も必要との助言を頂くとともに、引用資料の妥当性に関する確認作業をFIDIC本部に依頼して頂くことになった。
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