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セミナー・フォーラム参加報告

第3回世界水フォーラム(WWF3)参加報告

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4.閣僚宣言(フォーラム全体の成果)

WWF3での38テーマ、351分科会(セッション)から提出された行動計画や勧告は、29項目の閣僚宣言としてまとめられました。

  • 水は持続的発展の基礎であることを確認、
  • 国際紛争の原因は水と貧困であることを認識、
  • 資金供与、マネジメント、ガバナンスの重要性を確認、
  • ダムは必要であるが、総合的に実行可能な代替案を検討するとともに、影響評価を行なう(注:この点はWWC理事会の提言が生かされた)、
  • 国際河川を巡って「流域」の概念の確立と国際条約の締結を促進、
  • 能力開発(Capacity Building)および技術移転(注:AJCE/FIDICが努力した点)は、水資源開発や水資源マネジメントに不可欠、
  • 水情報の国際交流、国際モニター組織を設立、
  • ヨハネスブルグ環境サミット宣言の実現のため資金供与を2倍に増加させることを確認、
  • 「官民の連携強化」により、水道事業に民間の資金、経営、技術を呼びこむが、民間資金導入に際しては公的な管理や法整備が必要、
  • 2005年までに総合水資源管理及び水効率計画の策定を目指す、
  • 民間投資家、学協会、関連組織、団体などの利害関係者の参加が不可欠、
  • 地下水開発の重要性を確認、 ・海水淡水化、廃水再利用等の代替水資源の開発を促進。

5.次回水フォーラム

第4回世界水フォーラムはブラジル、メキシコ、イタリアなどが立候補していますが、6月の世界水会議理事会で検討し、11月の同総会で決定することになっています。総会では理事(現在石井会長、高橋裕先生と竹内邦良先生が出ている)の選挙も行なわれます。

FIDIC会長の訪日

FIDICのPedersen会長は、今回の世界水フォーラム(特にAJCE/FIDC共催のセッション)に参加され、コンサルタントが水問題解決の最重要なステークホルダーであること、を強調されました。また、来日の機会を捉え、国土交通省への表敬訪問、JCCA・IDI・ECFAとの懇談会、AJCE理事や各委員会との意見交換などを行なわれました。AJCEとの意見交歓会をとおし、Pedersen会長はAJCEの活動がFIDICと緊密にリンクしたもであることを認識され、AJCEの活動を賞賛されました。

Pedersen会長は、建設通信新聞や日刊建設工業新聞とのプレスインタビューに応じ、技術によるコンサルタント選定の重要性、業務における不正防止、グローバルレベルでのコンサルタントの能力開発、日本のコンサルタントがFIDICの活動に果たしてきた貢献度の高さ、などを述べられました。

今後の方向

今後、第3回世界水フォーラムの成功を機に、日本は水問題解決のため世界から先導的な役割を期待されています。日本は国際舞台で顔が見える存在として、その向上を図る必要があり、すでに国土交通省を中心に動きはじめています。国内のコンサルタントは、引き続き政府を支援し、世界的な水問題解決のため貢献することが期待されています。

石井理事は、第154回FIDIC理事会に、4回世界水フォーラムに向け特別な作業部会を立ち上げるか、SDTF(持続的開発作業部会)が受け皿となることを提案されました。技術研修委員会は、FIDICパリ大会でSDTFに対し、同様な提案を行う予定です。

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