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セミナー・フォーラム参加報告

第3回世界水フォーラム(WWF3)参加報告

FIDICペダーセン会長随行奮戦記
AJCE副会長 国際活動委員会委員長 廣谷彰彦氏
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3.国際協力銀行に於けるP会長の主張

20日(木)09:00から、約1時間にわたりプロジェクト開発部の種田部長、都合課長、小川課長ならびに高橋調査役との意見交換、さらには神副総裁への表敬訪問に対して、AJCE都丸会長、石井FIDIC理事ならびに藤江事務局長が参加した。意見交換においては、現在JBICがカンボディアのシハヌークビル港改修工事に際して実施しているAIDS撲滅技術支援事業に関して、質疑が行われ、今後、ガイドライン作製などに当たってFIDICとの共同作業の可能性が確認された。さらに、QBSを一層普及するための課題や、BIMS(Business Integrity Management System)のJBIC版導入の可能性など、様々な課題に対する意見交換があった。JBICでは、QBSの重要性を十分に認識しており、今後もその適用に邁進する模様。BIMSの導入については、当面JBIC版は考えておらずAJCEがセミナー等を開催するのであれば、ぜひ参加したい旨が表明された。

神副総裁は、過去においてFIDICを相当程度に研究された経験があるとのことであり、表敬訪問の情況であったが話が弾んだ。

4.4協会懇談に於けるP会長の主張

20日(木)に、AJCEに加え、建設コンサルタンツ協会(JCCA)、国際建設技術協会(IDIJ)、海外コンサルタント企業協会(ECFA)らの4協会が合同で昼食会を催し、意見交換を行った。話題はそれぞれの組織のなり立ち、組織・体制・活動内容、QBS、民間型事業、事業の全てにわたるコンサルタントの関与、4協会の協業など、広範にわたった。P会長はAJCEと技術士会(IPEJ)が文部科学省、JCCAとIDIJがMLIT、ECFAが経済産業省のそれぞれの管轄にある点を、今次の訪日中に十分に認識した。したがって、訪日当初は傘型連合などの構想の実現に興味を持っている発言があったが、帰国後の報告(先に示したHP)には、次に示すように語られている。

『It is made clear that neither merger nor sort of umbrella organization is viable, as they will be strongly opposed by relevant ministries./// Likewise, a merger of the 4+ associations is not likely, but I guess that a coordination committee may be established after our discussions. Also, an increased membership of domestic as well as locally based foreign firms may be expected, depending on the planned marketing drive by Goro san.』(合併や傘型連合型は、関係各省が強く反対するため、現実的でない。したがって、4+αの協会の合併は現実的でなく、今回の議論を通して協働のための委員会設立程度が提案される。さらに会員数拡大を図る中、地元定着型の外資系企業の参画も、五郎さんの活躍により可能であろう。)

5.業界紙記者会見に於けるP会長の主張

20日(木)の午後、建設通信新聞社、日刊建設工業新聞社、日本水道新聞社が参集して、記者会見が行われ、AJCE都丸会長、石井FIDIC理事、藤江事務局長が対応した。それぞれの新聞には、P会長の写真付きで、翌日に記事が載せられた。会見ではFIDICに係る様々な情報、SD、CB、BIMSなどの取り組みも紹介され、AJCEの多大な活躍と貢献、WWFに於ける協業と成果、MLITやJBIC、さらに4協会など、各方面に於ける意見交換に際しての感想などが語られた。特に、QBSの普及は強く主張され、ライフサイクルに於ける費用/効果にも言及して説明された。その中で、出身国であるデンマークに於ける事例も紹介され、非常に印象的であった。

6.今後の展開(私的印象)

今次のP会長の訪日は、近年において歴任全ての会長に訪問して頂いていることからすれば、特に異例の出来事ではない。しかし、AJCE活動がさらに積極的に展開する中、どの様にすれば会長の訪日を最も効果的に演出出来るかが企画され、WWFに続いて非常にタイトな在京時のスケジュールが練られ、実行された。その結果は、当初予想以上の成果となって表れたように評価される。

特に、QBSに係る懇切丁寧な、事例までも加えられた説明は、各方面に多大な影響を残している。また、4+αの協会同士の協業に係る委員会設立の提案は、既に実現の方向で行動が取られており、結実するように大きな期待が寄せられている。

AJCEの底力が発揮されたように感じ、企画、準備、実行に当たった各関係者の多大なご努力に、感謝申し上げる。今後共に、様々な機会を積極的に捉え、前進的な行動に繋げたいと考える次第である。

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