2003年 FIDICフランスパリ大会
Workshop-9 Sustainable Development in the Context of Globally Decentralized Market
技術研修委員会副委員長 山下佳彦
はじめに
本ワークショップには約30名の参加者が集い3名の講師がプレゼンを行なった。
- Facilitator: Xavier Rancoule(INTEROP)
- Presenters: Francois Melonio(COTEBA), Philippe Robert(OTH), Nicolas Molle(ETAMINE)
ワークショップ9のテーマは「地球規模で地方に分散された市場での持続可能な開発」、サブタイトルは「コンサルティングエンジニア企業はこれらの要請にどのように組織的に対応するのか」でした。
ヨーロッパのCE企業は、ヨーロッパやアフリカ各地で業務を実施しており、その市場は広く分散しています。このような環境で「持続可能な開発」をいかに達成して行くかは、CE企業にとって課題であり、挑戦でもあります。このような背景を踏まえて、ワークショップ9が企画されたものと思われます。
本ワークショップは、ファシリテーターがテーマ設定の背景と、実務的な視点からの問題点の特徴を概説し、これを受けて3人のプレゼンターがケーススタディーを紹介し、最後に総括としての結論が述べられました。以下にワークショップの概要を報告します。
1.問題提起
地球規模で地方に分散された市場で持続可能な開発を達成するためのCEの視点:1)広範で体系的な手法の開発、2)短期・長期目標のバランスをとる、3)地域スケールと地球規模相互の連携、4)「統治」の理念、5)責任の分担、6)不確定要素への注意
2.ケーススタディー
ケース1:数ヵ国で業務を実施する国際的な企業の責任ある行動と責任ある投資
(質問1)厳しい競争の中で世界各国で業務を行なっているCE企業にとって「責任ある行動」とはどのようなことを意味するのか?
(質問2)コスト削減は社会的責任と両立可能か?
ケース1では、ヨーロッパ及び北アフリカの20カ国で業務を展開し、社員720名、年間売り上げ約100億円(25億円は海外での売上)の実績を有するCOTEBA社の取り組みが紹介された。COTEBA社は建築分野(ホテル、リゾート、ショッピングセンター)のPMやCMに多くの実績を上げている会社である。COTEBA社の取り組みは以下のようである:
COTEBA社はヨーロッパ全域に渡るプロジェクトに対し、中央のマネジメントユニットを設立し、各国に分散した地域マネジメントチームと連携して業務を遂行している。
- 1)中央マネジメントユニットの役割
- ・プロジェクトを指揮し、併せてプロジェクト戦略を開発する
- ・手法と手順を練り上げる
- ・ソフトとコミュニケーションツールを開発する
- ・技術的な基準を開発する
- ・全体の予算管理を行なう
- ・目標の達成と成果のレベルを確かなものとする
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