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FIDIC Forum報告株式会社ニュージェック 顧問
大会のテーマ「コンサルティングエンジニア、専門職かビジネスか」ではやはり企業からの議論が大勢をしめますが、成長と利益の両立を目指して、これまでに著しい達成を成し遂げているコンサルタント企業Stantec社の若きフランセチーニ社長のプレゼンテーションは自信にみちたものでした。 Stantec社は前身のStanley社から50年の歴史をもつコンサルタント企業の由ですが、彼は1978年に入社しました。1994年に上場企業となり、1998年にCEOになりました。この年にStantec社は1,700人で売上高$170Mの規模でしたが、彼は2008年目標で10,000人、$1,000M売上まで成長し、トップ10の国際的コンサルタント企業を目指すビジョンを掲げました。領域は”design and fee for services”といっていましたから、通常のコンサルタント業務です。 ちなみにENR誌によりますとStantec社は2003年時点で$314M総売上とあり、国際売上$119M(GenBldg.14%, Water supply22%, Sewer/Waste22%, Transp40%, HAZ Waste2%)の順位は45位です。また社員は2004年に4,500人と云われます。 このような急速な成長を成し遂げる駆動力として彼は5つの原則を説明しました。 ビジョンビジョンは単純で測定できること、ぼやけたものにしない、費用のかさむ破壊は避けることが必須である。Stantec社の場合は前述の売上高と利益で明確な数値目標を掲げた。 リスク管理ビジョンを実現するため、時にはリスクをとる、ただし計算されたリスクであること。 リスクを取ろうとするとき、柔軟性と変化を受け入れる意思が必要である。 Stantec社では革新の企業文化を醸成し、経営陣を含めて誰もが革新を日常生活の一部のごとく、歓迎しうる環境づくりにつとめた。 十分な経営資源ビジョンを実行に移すためには、適切な人材、いろいろな道具そしてシステムを必要とする。Stantec社の場合は的を絞った持続性のあるビジネスモデルだけでなく、しっかりした財務基盤とよく訓練され情報に通じ、十分な装備をもった社員を必要とした。このため社員の訓練や能力開発に対する社内システムづくりを継続的に開発している。 コミュニケーションビジョンはつくるよりも、適切に明確に発信する方法を見つけることの方が難しい。 社員がこれを理解し、信頼しそして約束できるように伝える能力が必要である。 Stantec社のアプローチは社内の職員にも、外部の顧客や株主にも会社が何を目指しているかを知ってもらうため、やり過ぎと思われるほどコミュニケーションすることである。挑戦はメッセージを伝える新たな方法を見つけ、それを繰り返すことである。 経営執行成長と利益の均衡をとることで最も重要なことは執行である。Stantec社での信条は「並みの計画を優秀に執行する方が、優秀な計画を下手に執行するよりもずっとよい」というものである。そこで、あらゆる課題を成功させることに全力をそそぐ。執行のカギはチームワークである。指導者のとって、それはチームの成員ひとり一人の能力を見抜いて、各人を効果的に働かすことである。経営もプロポーサル書きも技術課題もすべて、チームワークで取り組む。 “A modest plan executed brilliantly is better than a brilliant plan executed poorly.”を繰り返し述べました。 感想としてフランセチーニ社長の発表は、カナダから米国へ販路拡大の戦略をかなり具体的に示し、迫力あるものでした。地域の特性を念入りに調査し、どの分野で参入するかを緻密に検討したあとが伺われました。彼自身が若い頃、都市整備や交通インフラを手がけていたので、販拡にあたっても、これが有力な分野となった様子です。 コミュニケーションの手法も特異なところがあり、一種カリスマ的なところが感じられましたので指導者としての資質にも秀でているのでしょう。 「並みの計画を優秀に執行する」ことも、我々流にいえば、「絵に描いた餅」にするな、ということでしょうか。 利益の確保についてはデリケートな問題であるので、常に数字をつかみ、チェックし、フィードバックするという手堅い手法をとるしかない、そのような話でした。 |
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